亀の知恵

萬年も役立つような森羅万象の知恵を紹介

*

集団就職と方言。「ひよっこ」を熱心に見ている、近所の老舗の女将さんは、集団就職組だった。

   

見ていない人には何のことやらですけれど、
連続テレビ小説「ひよっこ」についてです。

主人公のみね子は、高校を卒業し、
集団就職で東京の向島電機に就職しました。

みね子は昭和39年(1964年)の
翌年、昭和40年(1965年)3月に
高校を卒業していますから、
おそらく戦後の1946~7年生まれの
団塊の世代という設定ですね。

彼女は茨城県の架空の山村・奥茨城村から
上京してきました。
就職した向島電機は、名前の通り、
墨田区の向島にあるという設定のよう。

わが家からは、
隅田川をはさんではいますが、
ご近所です。

先日、母と一緒にこの番組を見ていたら、
母が「昔、家の近くにも集団就職の人たちの寮があって…」
と昔話をし始めました。

わが家の周囲は問屋街で、
みね子のような工場ではありませんが、
問屋に多くの地方から来た若い人が働いていたそう。

「近所のあの奥さん。あの人も集団就職で
その寮に入っていたんだけど、あそこのご主人に
見初められて……」と話が続きました。

ご近所に江戸時代から続く老舗のお店があるのですが、
そこの女将さんが、集団就職できた一人だと。

現在のご主人が、寮に仕事で出入りするうちに、
今の女将さんを見初めて、結婚したんだそう。

とても意外な話で驚きました。
というのは、女将さんの使う言葉は
東京弁だからです。

次の日、その女将さんに会ったときに、
「ひよっこ」の話をしたら、
自分と境遇が似ていて、
年も近い(という設定な)ので、
我が事のように、
テレビにかじりついて見ていると話してくれました。

そして自分がみね子くらいの時、
つまり寮に住んで働いていた頃の
エピソードを一つ教えてくれました。

それは言葉。

女将さんは北関東の出身。
地元にいたときは方言を意識していなかったけれど、
寮に住み、働くようになって、言葉の違いに気づいたそう。

寮には東日本を中心に各地の人がいました。
共通語をしゃべっていたつもりでしたが、
それぞれは、地元の言葉の尻尾を
引きずっていたとのこと。

職場には、東京出身の人も多く、
その人たちが使う東京弁(標準語・共通語ではない)が
とてもかっこよく聞こえたのだそう。

例えば、「そうかもしれない」を「そうかもしんない」。
「やらない」を「やんない」。
(東京だけではなく関東圏でも広く使われていると
思うのですが……)

結婚した後、東京弁の家族や周囲に囲まれているうち、
いつのまにか、普段しゃべる言葉は、
東京弁になってしまったそう。

それをあるとき、同郷の友達に指摘され、
なんだか恥ずかしかったとか。

ただ自分の故郷の言葉を完全に捨てた訳ではなく、
そうした同郷の友達や故郷の家族などとと話す時は、
自然に国の言葉になるといいます。

言葉を身につけたことで、
この東京に自分も根付いたと感じたと。

なので、女将さんは、今後、みね子の
言葉がどう変化していくのかにとても
興味があるようです。

なるほど、そんな見方もあるのかと感心したことでした。

 

 - 未分類

Comment

  1. nikitoki より:

    2017年5月10日、読売新聞の連載《アンテナ》で、コラムニストの桧山 珠美(ひやま たまみ)さんが《「方言」の楽しさ 視聴者に届くか》との見出しの記事を書かれています。家庭教師トライ、金鳥のCMのあと、「ひよっこ」について紹介。《現在の「ひよっこ」は茨城が舞台。なので当初は茨城弁、さらに舞台が東京に移った今もヒロイン・みね子(有村架純)の働く向島電機には地方出身者が多く、福島弁、青森弁、山形弁、秋田弁が飛び交い、なにやら楽しげだ。(段落)演出が細かくて、同部屋の先輩2人も東北出身だが、若干訛りが弱まり、標準語に近づきつつある。いわば方言のグラデーション。こうして徐々に東京ことばに染まっていくのか、と納得した》とあります。
    (全文読むには有料の登録が必要)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/?seq=02#!/news_20170510-118-OYTPT50411/list_NEWS%255fMAIN_2

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