「一人の愚か者が池に投げ入れた石は十人(百人?)の賢者が集まっても取り返せない」。人として大切なこととは。

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2015年10月22日、読売新聞の編集手帳で、
杭の強度を偽装していたマンションの話題を
取り上げています。

その最期の段落で以下のような言葉が出てきます。

「一人の愚か者が池に投げ入れた石は十人の賢者が集まっても取り返せない」。

編集手帳はこの格言がお好きなようで、
2010年10月22日の編集手帳でも取り上げています。
(大阪地検特捜部の元主任検事による証拠品改竄事件に
ついて書かれた中で)

この格言は、
《A fool can throw a stone in a pond
that 100 wise men can not get out.》
http://www.brainyquote.com/quotes/quotes/s/saulbellow383841.html

Saul Bellowソール・ベローという
アメリカの小説家の言葉です。
(ノーベル文学賞受賞)
原文では十人の賢者ではなく、
「百人の賢者」ですね。

それはともかく、
一人の侵した信用失墜行為は、
多くの人が必死になっても取り戻しがつかない
ということですね。

これと似たような話を昔、
誰かから聞いたことがあるなと
引っかかっていました。

思い出しました。
本家筋の親戚のおばあさんからです。

そこは手広く商売をしていました。
大勢の使用人を抱えて物を販売していました。

以前、別のところに書いたこともありますが、
そのお店の奥にでんと置かれていた巨大な
黒い金庫を今でも良く覚えています。

あるとき、そこのおばあさんが話してくれたのは、
商売で一番大切なことでした。

あなたは何だと思いますか?

それは「信用」。

商人は、物を売っているのではない。
物は人を通じて売っているものであり、
その人、さらにはそのお店の信用を
売っているのだと。

(現在、放送中の朝の連続テレビ小説でも
同じ事が語られていました)

信用を築くためにはどうしたらいいか?

それは約束を必ず守ること。
間違いのないものを仕入れて、
期日に納め、期日にお金を支払う。
それを行い続けることで、
薄紙を重ねるように信用が築かれていく。

しかしその信用は、失われるときは一瞬。
一度の取引、また一人のごまかしが
すべてを失わせる。

積むときは一枚だが失うときは
すべてを失うのが信用であると。

使用人(昔は丁稚から修行して上に)を育てるのは、
誰でもできるようなことをまかせてみる。

例えば、店の前を朝起きたら
すぐにきれいに掃き清めることを
丁稚に頼む。

それを毎日、ちゃんと時間通り、手抜きをせずできるか。
それを見る。
どこかで誤魔かす者は、必ず別のことでも誤魔かす。

出来るようになったら、少しずつ難しいことを
やらせてみる。
嘘をついたり、取り繕うことなく、
任せられた仕事をするか。
それをじっと、見ているのだと。

知らなかったので、できなかった。
慣れないことで、失敗した。
そうしたことは許せるのだそう。
しかし許せないのは、
「していないのにした」とか、
「出来ていないのに出来た」とか、
嘘を言ったり、取り繕ったりすること。

それは厳しく戒めたと言います。

商売人に限らず、広く通用しそうなことですね。

地盤に達しなかった杭の問題、
そして編集手帳のコラムで、
久しぶりに商人ひいては人の心得を説いてくれた、
親戚のおばあさんのことを思い出しました。

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niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
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