作家のC・W・ニコルさん。
長野県の黒姫の山に、「アファンの森」を作り、
自然を取り戻す活動をされています。
ニコルさんの近況を伝える長編の記事が、
2015年10月25日の毎日新聞に掲載されていました。
驚いたことにニコルさんは75歳になられたそう。
その記事には、ニコルさんを変えた
幼い時の故郷アイルランドの森、
さらに北極を久しぶりに訪れたこと、
現在のアファンの森での活動などについて
書かれています。
その記事の中で最も自分が
心動かされたのが、北極で事故にあい、
瀕死の状態になり、ライフルで自殺を図ったものの
未遂に終わったニコルさんにかけた、
イヌイットの古老の言葉です。
《嵐が収まり、ぼうぜんとへたり込んでいたところへ、
イヌイットの古老がカヌーでやって来ました」
泣きじゃくるニコルさんを、古老は海を望む高台の墓地に連れて行き、
墓に眠る一人一人の人生を語り聞かせて、戒めた。
「お前はまだ人生の歌を残していない。生きて、歌を残しなさい」。
古老がニコルさんの額に手を当てて呪文を唱えると、
痛みがウソのように消えた。
》
《ストーリー:C・W・ニコルさんとの旅(その2止) 北極が僕の学校
毎日新聞 2015年10月25日 東京朝刊》
http://mainichi.jp/shimen/news/20151025ddm010040070000c.html
この古老の言葉は深いですね。
どんな人にも語られるべき、
歌われるべき人生がある。
それはおそらく自分が歌ったり、
語ったりするのではなく、
自分を知る人々が、自分を知らない人に
語り歌い聞かせるものなのでしょう。
振り返って自分を考えてみるに、
まだ「人生の歌」は残せていない気がします。
イヌイットの古老がいう「人生の歌」。
残したいですね。
C.W.ニコル アファンの森財団
http://www.afan.or.jp/
解剖学者・養老孟司さんとの対談集
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