日本のバイオリン王・鈴木政吉、「わしは二本のぼうで人生を乗り越えてきた。辛抱と貧乏だ」。

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先日、2016年2月14日に、
東海テレビが制作した番組
「日本のヴァイオリン王~
名古屋が生んだ世界のマエストロ 鈴木政吉物語~」
http://tokai-tv.com/suzukimasakichi/
が放送されました。

録画しておいたものを、昨日、見ました。

鈴木政吉という人物は、鈴木バイオリン製造の創業者。
日本で初めて量産型ヴァイオリンを生産、
さらに高級手工ヴァイオリンの
銘品も残している人物です。

番組は、その鈴木政吉(まさきち)の生涯を
ドキュメンタリーとドラマでたどるものでした。

この番組を録画してまで見ようと思ったのは、
この政吉のことを間接的に知っていたから。

自分の恩師が鈴木メソッドと呼ばれる
バイオリンの育成方法を幼少期から体験し、
その普及に携わっていらっしゃったから。

鈴木メソッドを確立したのは、
この鈴木政吉の三男・
鈴木鎮一なんです。

もともと幕末に生まれた政吉は、
三味線作りの職人。

明治中頃、これからは西洋楽器の時代と、
三味線作りを止め、何の経験も知識もない
ヴァイオリン作りに乗り出します。

赤貧洗うが如しという貧乏生活を、
妻とともに乗り越え、独学で、
舶来の楽器に負けないヴァイオリンを
作り出し、成功。

絶頂期には年間15万挺を超える製品を
生産するほど会社も大きくします。

けれど昭和の初め、ヴァイオリンブームが去り、
営業不振に陥ったことに加え、土地の暴落、
銀行の倒産などのあおりを受け、
倒産してしまったのでした。

けれどそれにめげる政吉ではありません。
わずか半年で債務を完済、新たな経営者を連れてくるなど、
不屈の精神で乗り越え、会社を復活させます。

そして、工場生産ではなく、芸術性も兼ね備えた、
本格的な高級手工ヴァイオリン作りを目指すのです。

それを始めたのは、60歳を過ぎてから。

この政吉の手工ヴァイオリンは
皇太子殿下所有の1926年製のものほか、
数挺しか存在が確認されていないのですが、
2015年4月に新たに1挺が発見されました。

それは、1926年生のもので、小説家・幸田露伴の妹で、
東京音楽学校の教授でバイオリニストの安藤幸に、
献呈されたものでした。(子孫の方が譲り伝えていた)

去年の夏、名古屋市の宗次ホールで、その新たに発見された
ヴァイオリンも含め、政吉のヴァイオリン2挺を、
ヴァイオリンの古澤巌さんが演奏する音楽会が開かれました。

その演奏シーンも番組では流されました。

なかなか見応えがある番組だったのですが、
心に残ったセリフがあります。

それは鈴木政吉が語る、
「(自分は)二つのぼうで生きてきた。辛抱と貧乏だ」
というもの。
(記憶で書いているので、放送された内容とは異なると思います)

その言葉を聞いて、息子のひとりが、
「バイオリンのボウも含めて、3本のボウですね」
と応じていました。

この「二つのぼう」は、
脚本家の創作ではなく、
実際に政吉の口癖だったそう。

《長唄の稽古で養った自慢の耳と、口癖に云う”二つのぼう”とで、
彼はそれらの難問と戦いながらバイオリン製作に没頭してゆきます。
二つのぼうとは辛抱(しんぼう)と貧乏(びんぼう)のことであり、
政吉得意のキャッチフレーズでした。》

《鈴木政吉物語》
http://www.suzukiviolin-shop.jp/story/
http://www.suzukiviolin.co.jp/about/story2.html

この「辛抱に貧乏」という言葉は、
昔、何人かの方から聞いたことがあります。

若い時は貧乏に耐え、辛抱せよと。

かつて数々の喜劇に出ていた
コメディアン・俳優の
伴淳三郎さんも、
貧乏と辛抱の2つのボウを背負って生きよ
と語っていらっしゃいましたね。

「貧乏、辛抱の後には、希望がある」。
「辛抱においつく貧乏なし」
(稼ぐに追いつく貧乏なし)

そんな言い回しも、
どこかで読んだ覚えがあります。

恩師とこれらの言葉を
思い出した番組でした。

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
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