2020東京五輪エンブレム。著作権侵害問題。新国立競技場にならい白紙撤回? ベルギーの劇場は使用差し止めを求める。

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2020年の東京五輪のエンブレムと、
2013年に公表されたベルギーの
リエージュ劇場のロゴマークが似ている
と騒ぎになっています。

二つをと見比べると、確かに似ている
というのが第一印象。
けれど、細かく見ていると違う所も。
(縦棒に脇の飾りが接しているかどうか)
色に関しては、全く異なります。

ただ色使いに関しては、スペイン・バルセロナの
「ヘイ・スタジオ」が、東日本大震災後に寄付金を募るための
スマートフォンの壁紙用のデザインにそっくりとのも。

こちらも見てみたら、黒、赤、金などの
色使いだけでなく、構成されている形
(黒字に赤い丸、角に丸みがついた白い長方形など)も
似ています。

この著作権侵害に対して、東京五輪組織委員会は、
事前に世界各国の登録商標を調べており、
問題ないとコメントしています。

これに対し、劇場のデザインをしたデザイナーの
オリビエ・ドビさんそして、劇場は、
国際オリンピック委員会(IOC)に著作権侵害の疑いがあるので、
使用差し止めをしてほしいとの申立書を送付するとのこと。
対応いかんによっては、今後、ベルギーの裁判所に提訴する可能性も。

オリビエ・ドビさんのFacebook
https://www.facebook.com/StudioDebie

一方、スペインの方は、「偶然の一致ではないか」
「重要な案件に、インスピレーションを
与えたとしたら誇りに思う」とコメントしており、
法的な措置などをとるつもりはないとのこと。

商標の侵害は、一般人に混同を起こさせるかどうか
が重要な要素とされています。
東京五輪のエンブレムの方には、当然ながらというか、
「TOKYO 2020」との文字が入っており、
法的には混同を起こすとまでは言えないかもしれません。

IOCの広報委員長が述べているのですけれど、
来年2016年のリオデジャネイロのロゴマークも、
アメリカ・コロラド州の慈善団体「テルライド財団」の
ロゴにそっくりと問題になったそう。
(こちらも見てみましたが、確かにそっくり)
ただ、リオのロゴはこのまま問題なく使われているようです。

法的に問題がなくても、エンブレムが盗作かもしれない
と疑惑を持たれること自体、ケチがついたようでいやですね。
このロゴをスポンサーは使う訳ですから、スポンサーとしても
そんな疑惑のあるものは使いにくいはず。

こうなったら、新国立競技場の
白紙撤回に続いて、エンブレムも白紙撤回?

〇エンブレムの決定
大会組織委員会がデザインコンテストで、デザインに関する
複数の受賞歴のある個人を対象に募集。
2014年11月に、104の作品から選出され、
佐野研二郎さんのデザインに内定。
その後、組織委員会は、世界各国で調査。
国際オリンピック委員会と情報交換しながら確認。
国際商標登録を申請し、2015年7月24日、発表。

東京五輪組織委員会
《東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレムを発表》
https://tokyo2020.jp/jp/news/index.php?mode=page&id=1406
https://tokyo2020.jp/jp/
https://tokyo2020.jp/jp/emblem/

〇デザインコンセプト
オリンピック
「TOKYO(東京)」「TEAM(チーム)」「TOMORROW(明日)」
という3つの言葉の頭文字である「T」をモチーフにデザイン。
パラリンピックのエンブレム
普遍的な「平等」の記号「=(イコール)」をイメージ。

黒色は、すべての色が集まって生まれる色=「多様性」を、
内側の大きな円は「1つになった世界」、
右上の赤い円は「一人ひとりの赤いハートの鼓動」を象徴。
金、銀はメダルの色。赤と合わせて日本的(和風)の美も意識。
(なお縦の棒の色は、黒ではなく、「濃いグレー」との指摘も。
スペインの事務所のデザイン、色使いを知っていたため、
あえてグレーに変更したとネットで推測されている)

JOC、2015年7月24日
《五輪公式エンブレム発表 東京の「T」、多様性の黒》
http://www.joc.or.jp/news/detail.html?id=6696

〇国際商標
スイスに本部を置く「世界知的所有権機関」が国際商標を管理。
書類審査により、国際登録。その後、世界知的所有権機関が指定された
94カ国・地域に商標を保護するよう通報する。
通報された各国は、国内の商標登録の状況を調査し、
異議があれば「拒絶」という手続きを取ることが可能。
拒絶が認められた場合、該当国では、知的財産権は保護されない。
すべての指定国の結果が出るまでには、通報後、1年以上かかるとのこと。
ベルギーで拒絶となる可能性も?

〇国際オリンピック委員会のコメント
「大会組織委員会は長期にわたり、明快で透明性のある手順で
このエンブレムを選考した。正当な商標調査も経ている」。
〇東京五輪組織委員会
「国内外の商標調査を経て発表したもので、法務上は全く問題ない」
〇舛添要一東京都知事
「似ていると言えば似ている。組織委の説明では、
特段、問題がないだろうと思う」

〇佐野さん、及びデザイン会社MR.DESIGN
佐野さん、及び同氏が代表を務めるデザイン会社は、
「特にコメントはない。組織委員会に聞いて欲しい」とコメント。
なお佐野さんは現在、海外出張中だそう。
佐野さんのホームページ、Twitterは閲覧制限を行っている。
またFacebookのアカウントは削除されているとのこと。

MR.DESIGNの公式ホームページ
http://www.mr-design.jp/
《申しわけございませんがただいまサーバーにアクセスが集中しており、
一時的に閲覧制限をおこなっております。
Official website of MR DESIGN》

なお現在は、変更されている(01.dnsv.jp)が、
公式サイトのネームサーバーが「ns.zyappu.com」
であったことも指摘されている。
http://toolbar.netcraft.com/site_report?url=http://www.mr-design.jp

佐野研二郎 さんのプロフィール
《【プロフィール】
アートディレクター。1972年東京生まれ。多摩美術大学卒業。MR_DESIGN代表。
ロゴマーク、キャラクターデザイン、グラフィックデザイン、パッケージデザイン、
広告のアートディレクションを手がける。亀倉雄策賞、毎日デザイン賞、
ニューヨークADC賞金賞、カンヌライオンズ金賞、ロンドンD&AD金賞、
ONE SHOW DESIGN金賞、東京アートディレクターズクラブ会員賞、
日本パッケージデザイン大賞金賞、交通広告グランプリなど受賞。
パリ装飾博物館に作品が多数パーマネントコレクション(永久保存)されている。》

1972年7月29日東京都生まれ。先日誕生日を迎えたばかり。
博報堂では、ユニクロのロゴをデザインした多摩美大客員教授の
佐藤可士和(かしわ)氏に師事。
代表作
TBSのキャラクター「BooBo」、日光江戸村の「ニャンまげ」、
キリンビール「豊潤/極生/生黒」、KDDI「LISMO」。

〇過去作品、審査過程、ネットでの検証
佐野さんの過去の作品についても、
類似のデザインがないか検証が行われている。
さらにこのエンブレムの選考過程、
選考委員などについても、分析されている。
(佐野さんと審査委員との交遊、関連など)

CasaBRUTUS
《2020年東京五輪のエンブレムが決定。デザインしたのは、あの人です!》
http://casabrutus.com/design/9478

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
ブログ「トクダス」
https://nikitoki.blog.ss-blog.jp/
ブログ「人生やり残しリスト」
https://yarinokoshi.blog.ss-blog.jp/

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コメント

  1. niki nikitoki より:

    佐野研二郎さんが、組織委員会を通じてコメントを発表。「報道されている海外作品については全く知らないものだ。制作時に参考にしたことはない。このエンブレムは1964年の東京オリンピックの作品へのリスペクトを持ちながら日本らしさを自分のなかで追求してデザインした」とのこと。現在、海外出張中ですが、帰国後に改めて説明の場を設けるとのことです。

  2. niki nikitoki より:

    劇場のロゴをデザインしたドビ氏。劇場ロゴは商標登録されていない。2013年に先に公表。
    「インターネット上で見つけるのは難しくない」とコメント。

  3. niki nikitoki より:

    ドビ氏の弁護士は、IOCと組織委員会に書簡を送付済みとコメント。8日以内の回答を求め、対応がない場合、8月にも使用停止を求め、ベルギーの裁判所に提訴すると。エンブレムの取り下げや変更を想定していると取材に答えている。

  4. niki nikitoki より:

    舛添都知事は、名刺などエンブレム入りの制作物の製造を一時ストップする考えを示した。大会組織委員会が製作を担当するピンバッジ、Tシャツなどのエンブレム入りのグッズは予定通りに製造。アク口の完成をめどに制作と組織委員会の工法が明かす。

  5. niki nikitoki より:

    IOCのコーツ副会長は、「IOCと東京五輪の組織委員会は、エンブレム発表前に著作権登もno録をすべてチェックした。ベルギーの劇場のロゴは保護されていない」と説明したとのこと。なおベルギーの劇場のロゴは商標登録しておらず、デザイナー、劇場ともに、2020年東京五輪のエンブレムが著作権を侵害していると主張しています。

  6. niki nikitoki より:

    佐野氏は、2015年8月5日、記者会見し、「日本人としての誇りを持って作った。盗用との指摘はまったくの事実無根」「私のキャリアの集大成と言える作品」「世界に類のないエンブレムができたと確信」ベルギーに行ったことはなく、ロゴも見たことがない」「要素は同じものがあるが、デザインの考え方や背景の色も違い、全く似ていない」などと話しました。

  7. niki nikitoki より:

    ロゴのデザイナーのドビ氏側は、2015年8月6日、声明を発表。国際オリンピック委員会(IOC)にエンブレムの使用差し止めを求める訴えを、この10日にもベルギーの裁判所に起こす考えを示しました。

  8. niki nikitoki より:

    佐野研二郎さんがデザインした、サントリー・オールフリーのキャンペーン用のト
    ートバッグ30種類。その中のいくつかが、別の画像に似ているとの指摘がネットでなされています。その内の1つで元画像の撮影者は、ブログで「盗用」と書かれています。このほか、これまでの佐野さんの作品の検証がネット上ではさかんに行われています。

  9. niki nikitoki より:

    サントリービールは2015年8月13日佐野研二郎氏のデザインによる、ノンアルコールビールのキャンペーン賞品の一部を取り下げると発表しました。30種類の絵柄のうち8種類が対象。佐野氏側の申し出による対応とのこと。今回取り下げられたものの中には、フランスパン、鳥、「BEACH」の看板など、インターネット上で「盗用ではないか」と指摘されたものが含まれています。佐野氏のデザイン事務所はコメントを発表。デザインにつき、「専門家を交えて事実関係などの調査・検討を開始している」とのこと。調査結果を受け、佐野氏は、17日にもコメントを発表するそうです。

  10. niki nikitoki より:

    佐野氏は、ホームページで、トートバッグについて「第三者のデザインをトレース(描き写し)していたことが判明した」として謝罪。東京五輪公式エンブレムについては「模倣は一切ないと断言していたことに変わりはない」と書かれています。
    http://www.mr-design.jp/

  11. niki nikitoki より:

    佐野 研二郎氏が取り下げたデザイン中、「BEACH」と書かれたものは、
    ジョージア州のベン・ザラコーさんがデザインしたもの。自分が制作
    したものと完全に一致すると指摘。法的手段を取る可能性も示唆して
    いるようです。

  12. niki nikitoki より:

    大会組織委員会は、ベルギーのデザイナーが提訴したことについて、詳細に書面で説明したにもかかわらず訴えた旨、批判。

  13. niki nikitoki より:

    佐野氏がデザインした東山動植物園のマークが、中米のコスタリカの国立博物館のマークに似ていると指摘されています。東山動植物園は、このマークを提案した企業に事実関係の調査を依頼したこと2015年8月18日、明らかにしました。

  14. niki nikitoki より:

    サントリーのキャンペーン賞品のトートバッグのうち、デザインの模倣があったとして、取り下げられたものの一つが、右向きの赤い矢印の看板に「BEACH」の文字が書かれたデザイン。この元の作品をデザインしたベン・ザリコー氏が、法的手段に訴えることを検討していることが明らかになりました。

  15. niki nikitoki より:

    佐野氏が手がけた群馬県太田市に建設中の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴと、アメリカ・コロラド州在住のジョシュ・デバイン氏が、2011年に発表したデザインが似ているとネットで話題になっています。どちらも黒い円と直線だけの構成。デバイン氏は「法律顧問と相談したい」とマスコミに述べています。

  16. niki nikitoki より:

    佐野氏が数種類のデザインを手掛けた「ザ・ローリング・ストーンズ OFFICIAL T―SHIRTS」の一つが、フランスのギタリスト、ビレリ・ラグレーンに似た写真が使われているのではと話題になっているそう。佐野氏の事務所のHPには「過去の作品については、制作過程に、法的・道徳的問題は確認されていない」と書かれています。

  17. niki nikitoki より:

    FNNが伝える所によれば、佐野氏が手がけた群馬県太田市の公共施設のロゴをめぐる問題について、「その要件を満たすデザインは、今、名乗りを上げておられるアメリカのデザイナー以外にも、制作されている方は、世の中にたくさんいらっしゃると思います」「それが、誰か特定の人のアイデアとして認められ、ほかの人が使えないということであれば、デザインの世界では、できないことがほとんどになってしまうと思いますし、わたしはそうではなく、ほかの誰が使っても、問題のないものだと思います」と反論しています。

  18. niki nikitoki より:

    2015年8月26日、朝日新聞朝刊、共同通信などが五輪エンブレムの審査委員代表で、グラフィックデザイナーの永井一正氏が、選考過程について証言を伝えています。応募者の名前を伏せ、番号で応募作を3作にまで絞り込み審査。当初選ばれた佐野氏のロゴ原案は、商標を調べたところ、似ているものがあったので、五輪組織委員会から修正を求められ、手直しをしたとのこと。原案は「東京」の頭文「T」を図案化したもので、ベルギーの劇場名の頭文字「L」を思わせるエンブレム右下の部分はなく、コンセプト、成り立ちを考えても、ベルギーの劇場のロゴとは「似ていなかった」と証言しています。

  19. niki nikitoki より:

    大会組織委員会は2015年8月28日、佐野研二郎氏制作のエンブレムの原案を公開しました。原案は2度修正され、現在のデザインになったとのこと。原案は現在問題となっているベルギーの劇場のデザインとは全く似ていなかったとしています。修正したのは、商標登録を確認したところ、原案と類似のデザインを見つけたため。佐野氏は、赤い丸の位置を変更し、白抜きの円が加わりました。しかし審査委員から、「円が強調され、躍動感がなくなった」と指摘され、再度修正し、現在の形となったそう。

  20. niki nikitoki より:

    先日公開された、佐野研二郎氏制作の2020年東京五輪の公式エンブレムの原案が、2013年11月に銀座で開かれたタイポグラフィの巨匠「ヤン・チヒョルト」の展覧会で使用されたロゴに似ているのではと、ネットで話題になっています。

  21. niki nikitoki より:

    佐野研二郎氏がエンブレムの活用例として、選考過程で審査会に提出した写真2点が、インターネット上の個人サイトから転用されている疑いがあると指摘されています。これを受け、大会組織委員会は、「権利関係を確認中」とコメントしています。

  22. niki nikitoki より:

    組織委員会は、佐野研二郎氏のデザインしたエンブレムの使用を中止する方針を固めたとのことです。NHKが伝えました。佐野氏が組織委員会に提出した、空港や街中でのエンブレムの展開例の画像が、無断で転用されているとの指摘が出ていました。

  23. niki nikitoki より:

    佐野氏は、大会の組織委員会の調査に対して、無断でインターネット上に掲載されていた画像を転用していたことを認めたようです。無断転用したのは、審査の際に、エンブレムの展開例として提出された2つの画像(羽田空港のロビーと、渋谷駅前のスクランブル交差点周辺)。写真の無断複製は、著作権法違反に当たる可能性あり。羽田空港の写真には、著作権があることが記載されています。