新国立競技場に旧国立にあった「野見宿禰」の壁画を設置と設計の隈研吾さん。国技館の近くにある野見宿禰神社。

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いろいろともめた末、隈研吾さんの設計で
建設されることが決まった新国立競技場。
そこに「野見宿禰」の壁画が設置される
意向であることを隈さんが明らかにしました。

「野見宿禰」は「のみのすくね」。

野見宿禰は、「相撲の始祖」と言われています。

なぜかというと、日本書紀によると垂仁天皇の頃(360年)、
野見宿禰は、天皇の命で大和の当麻蹴速 (たいまのけはや)と
相撲をとって投げ、肋骨と腰の骨を折って殺し、
それ以降、朝廷に仕えたから。

なお彼は、埴輪を考えたとも伝えられています。

皇后の日葉酢媛命 (ひばすひめのみこと)が亡くなったときに、
それまでは身近なお付きの者などが殉死していたのですけれど、
それにかえ、埴輪を埋めることを建言。

それが取り入れられ、以降、そのようになりました。

この功により、彼は焼き物に適した土地が与えられ、
土師臣 (はじのおみ)の姓を賜ったとのこと。

なお学問の神様として知られる菅原道真は、もと土師 (はじ)氏を
称していましたが、居地にちなんで改姓し、菅原となりました。

すなわち野見宿禰は武の神様であり、
さらに文の神様の祖でもあるわけですね。

その野見宿禰を描いた壁画が、旧国立競技場に飾られていました。
解体するときに、ギリシャの女神を描いた壁画とともに、
撤去保存され、新国立でも使われるとされていました。

隈さんは、もっとも目立つ、南側の入場口の外側に設置し、
1964年の素材を継承する意志を表したいとのことです。

あと川口の鋳物職人が命をとして作ったとされる聖火台。
これもどこかに設置してもらいたいですね。

さて野見宿禰には親しみを持っています。
というのは、日常的にそれが祀られた
神社の近くを通ることがあるから。

野見宿禰はもともと出雲の人で、
出雲大社の中、そして

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亡くなったとされる兵庫県たつの市に
野見宿禰神社がありますが、
もう一箇所、東京にもあるんですね。

それが両国国技館の近く、
墨田区亀沢にある
野見宿禰神社です。

国技館の裏側、江戸東京博物館の清澄通り側の
出入り口から、まっすぐ東(錦糸町方向)へ延びる北斎通り。

電柱がなく、きれいな通りです。

浮世絵師の葛飾北斎の生誕の地であるところから、
名前がつけられました。

道沿いには、街路灯の下に、葛飾北斎の作品が
街歩き北斎ギャラリーと名付けられ、展示されています。

そして今年、この地に美術館が開館します。

すみだ北斎美術館
http://hokusai-museum.jp/

江戸東京博物館から、その葛飾北斎の生誕の地の表示があり、
敷地内にすみだ北斎美術館がオープンする
緑町公園を過ぎて、すぐの右手角にある神社がそうです。

一目で見渡せるような小さなところですが、
ここにまさに相撲の神様野見宿禰が祀られているんですね。

緑町公園もこの神社も、かつては津軽藩の
津軽家の上屋敷。その東側にあったのが初代の高砂部屋。
(現在は立正佼成会の教会)

明治18年(1885)に、親方の高砂浦五郎が尽力し、
この地に、野見宿禰を祀ったのが始まりです。

神社周囲の石垣の石柱に、
多くの相撲関係者、力士の名前が刻まれています。

境内には、日本相撲協会がたてた歴代横綱の
石碑2基があります。
(初代横綱明石志賀之助から四十六代朝潮太郎まで。
もう一基は、第四十七代柏戸剛から最新まで)

一度だけしか見たことがないのですが、東京で
行われる1月、5月、9月の本場所前にこちらで
神事(例大祭)が行われるよう。

また新横綱誕生の折には、
横綱力士碑のある富岡八幡宮とともに、

「相撲と富岡八幡宮」
http://www.tomiokahachimangu.or.jp/htmls/sumou.html
この神社でも土俵入りを奉納するとのことです。

昔は、自由に境内に入ることが出来たのですが、
残念ながら最近は、開放されていないようです。

事情はわかりませんが、
また自由に参拝できるように
してもらいたいですね。

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
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