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トランプ氏が共和党の大統領候補の大本命に。イタリア人「ベルルスコーニを選んだ俺たちはアメリカ人を笑えない」。

      2016/07/20

泡沫候補と思われていたトランプ氏。

連続して3州の党員集会で勝利し、
各種世論調査でも圧倒的な支持率。
3月1日のスーパー・チューズデーでも
勝利を収めるのではないかと話題になっています。

このアメリカ大統領選挙について
先日、イタリア人と話していたら、こんなぼやきが。

「暴言、差別発言のトランプがアメリカ大統領になったら、
アメリカの有権者はどうしたんだと思うけど、その選択を
イタリア人は笑えない。なにせあのベルルスコーニを
首相に選んだのだから」。

ベルルスコーニとは、シルヴィオ・ベルルスコーニ。
自ら起こした政党「フォルツァ・イタリア」の党首であり、
4度にわたって首相をつとめたイタリアの政治家です。
(第2次世界大戦後のイタリアで最長の首相在任期間)

言われてみれば、かなりの共通点があります。

トランプ氏も世界的な大金持ちで知られていますが、
ベルルスコーニも、自ら会社を経営し、テレビ局、
新聞社などのメディアを複数所有する「イタリアのメディア王」、
さらにサッカーチームACミランのオーナーでもある、大金持ち。

近年だけでも、汚職疑惑、性的スキャンダルで
未成年者売春罪、職権乱用罪で起訴され、
前者では無罪となったものの、後者では有罪となっています。

ベルルスコーニ氏は、トランプ氏と同じく、
いやそれ以上に、暴言・差別的発言を数多く、発しています。

イスラム教、イスラム教徒や共産主義者に関しては、
「ムスリムは、1400年前の価値観に留まっている。
西洋世界は、ムスリムや共産主義者にはない、
自由を愛する原則と価値観を持っており、
それを護らねばならない」。

中国に対しては、
「毛沢東時代に共産党は、赤ん坊を煮て肥料にした」

女性の政界進出に関しては、
「イタリアは優秀な男性であふれている、
閣僚にふさわしい有能な女性を見つけるのは容易ではない」。

オバマ大統領については、
「オバマは若く、ハンサムで、そして日焼けまでしています。」
と黒人であることを日焼けと差別発言。

これを批判したマスコミなどに対して、
批判をした人たちは、「大馬鹿者」で、
自分の発言は差別的ではなく「ほめ言葉」と反論。
さらに加えて、
「われわれは皆、ナオミ・キャンベルや
オバマのような日焼けに憧れている」
とまで言い放ちました。

その後も何度もオバマ大統領について語る時、
「日焼け」表現を持ち出しています。

トランプ氏は、3度結婚しています。
かたやベルルスコーニ氏は、2度。
しかし2度目の妻からは、未成年との性的スキャンダルの折に、
愛想を尽かされ、離婚請求され、毎月350万ユーロの生活費を
要求されていると報じられています。

こうしたスキャンダルまみれのベルルスコーニ氏でしたが、
イタリアの一部の人たちには、ものすごく支持を集めていました。

イタリアでは家族で経営する小さな会社、自営業者が多く、
そうした人たちにとって、自ら起業し、成功を収めた
ベルルスコーニ氏は、憧れの的、尊敬の対象だったのです。

また植毛、顔のしわ、しみ取りなどを行い、
メイクも行って外見を若く保ち、
ある種の女性たちとの体験のテープが流出したり、
別荘で、みだらなパーティーを行い、
複数の女性たちと性的な関係を行った
と報じられた時も、
イタリア人男性の多くは、その若さと、
年齢に負けぬ精力に、羨望のまなざしと
称賛を与えたのでした。

アメリカでは、去年の12月の調査では、
トランプ氏が大統領になったら、
「恥ずかしい」と答えた人が50%を超えたとか。

現在、その割合はどうなっているのでしょう。

イタリアでも、インテリを中心に、
ベルルスコーニが首相で「恥ずかしい」と
かつて答えていました。

過激で差別的な発言を繰り返しても、
巨万の富を持ち、メディアを支配したり、
利用したりすれば、政治家として
大きな影響力を持つことが出来る。

それはポピュリズム
という一言で表現できるのかもしれません。
そしてそれも民主主義の一側面なのかもしれません。

そうそうそのイタリア人に次のようなことを聞かれました。

「まだ選ばれていないが、アメリカのトランプ、
イタリアのベルルスコーニのように、国民が
選んで恥ずかしいという政治家は、日本にはいないのか?」

国会議員や知事クラスでは
心当たりがありますが、
首相にはいませんよね。

というわけで、
「そんな政治家は日本にはいないし、
これからも出ないだろう」
と力強く答えたかったのですが、
後ろの方は、自信がなく小声になってしまいました。

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