亀の知恵

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神武天皇は実在の人物か? 三原じゅん子氏への池上彰氏のインタビューを巡って。「八紘一宇」。紀元節、建国記念の日。

   

参議院選挙の開票の様子を伝える
テレビ東京の選挙特番「池上彰の参院選ライブ」を
ちらちらと見ていました。

その中で、早々に神奈川選挙区で当確を決めた
自民党の三原じゅん子氏が登場し、
池上彰氏がインタビューをしていました。

池上氏は、三原氏に、
神武天皇について尋ねました。

池上
「先ほどのVTRの中で、神武天皇以来の伝統を持った憲法を
作らないといけないとおっしゃってましたね。
どういう意味なんでしょうか。
明治憲法の方が良かったということでしょうか?」

三原
「全ての歴史を受け止めて、という意味であります」

池上
「神武天皇は実在の人物だったという認識なんでしょうか?」
三原
「そうですね。いろんなお考えがあるかもしれませんけど、
私はそういう風に思ってもいいのではないかと思っています。」

池上
「あ、そうですか! 学校の教科書でも神武天皇は神話の世界の人物で、
実在していた天皇はその後だということになってますが?」

三原
「神話の世界の話であったとしても、そうしたことも含めて、
そういう考えであってもいいと思います」

池上
「神話も含めて日本の歴史を大切にした憲法にしなければいけない?」

三原「はい、そうですね。」

神武天皇は初代と伝えられる天皇。
名は神日本磐余彦尊(かんやまといわれびこのみこと)。
「古事記」「日本書紀」にその事績が書かれています。

それらによれば、日向国(現在の宮崎県)から東征し、
瀬戸内海を通り、難波に上陸したものの、
長髄彦(ナガスネヒコ)の軍に行く手を遮られ、
熊野に回り、そこから吉野を経て大和を平定。

橿原宮(かしわらのみや)で、
西暦紀元前660年の元旦に即位。
ヒメタタライスズヒメノミコトを皇后とし、
127歳で没したと伝えられています。

なお明治以降、この紀元前660年を皇紀元年とし、
即位した元旦を、新暦の2月11日に比定し、
「紀元節」とし祝日としました。
昭和42年以降は「建国記念の日」にひきつがれています。

これらの年代、事績また神武天皇の存在自体も
これまでに多くの説、解釈がなされてきました。

高校の日本史で習ったのは、
第二代綏靖天皇(すいぜい・てんのう)から、
第九代開化天皇(かいか・てんのう)までの八代は、
「欠史八代」(けっし・はちだい)と呼び、
初代とされる神武天皇に加え、いずれも神話上の
伝説の天皇で実在しない。

実在性のある最古の天皇は、
第十代崇神天皇(すじん・てんのう)ではないか
というものでした。
(高校時代の日本史用語集によれば、神武天皇は、
19社中9社の教科書で取り上げられています)

現在の教科書でも「神武天皇は神話の世界の人物で、
実在していた天皇はその後だということになっている」
という池上氏の質問ですが、国会議員だからといって、
教科書の見解(一般的には通説が採用される)に
縛られる必要はないと思われます。

現在の教科書や歴史学会の傾向がどうなっているのかは、
寡聞にして知らないのですけれど、一方で、
神武天皇実在説を唱える人がいるのも確か。

それを信じる国会議員がいてもいいわけです。

ただその見解と、それによる彼女の政治活動を
支持するかしないかを、有権者は判断すればいいだけですから。

池上氏の質問は、三原氏の歴史観及び憲法観の一端を
明らかにしたという意味で、意義のあるものだった
と言えるでしょう。

ただ彼女の思想、考え方については、
これまでの政治活動で明らかになっていました。

2015年3月16日の予算委員会で、
三原氏は、「八紘一宇」について発言し、
話題になりました。

覚えていらっしゃる方、多いのではないでしょうか。

この時も、三原氏は、「八紘一宇」が
侵略戦争を正当化するスローガンであったことなどの
歴史を知らないのではないかといった批判がありました。

しかし、この発言の後に雑誌に寄せた原稿などで、
三原氏は、この言葉が戦前に国威発揚のために
使われたことは知っていて、あの戦争が日本の歴史に
悲劇をもたらしたことも理解しているつもりとしています。

その上で「八紘一宇」が持つ
本来の意味を評価する必要がある
と主張していました。

「八紘一宇」は、まさに神武天皇が即位した際に
作られたとされる「橿原建都の詔(みことのり)」に遡ります。

「八紘(あめのした)を掩(おお)いて
宇(いえ)と為(せ)むこと、亦可(またよ)からずや」
(原文は漢文)。

これは「世界のすみずみまで、
ひとつの家族のように暮らしていける国にしよう」
との建国の考え方を示したものとされています。

原文からすれば、本来は「八紘為宇」ですが、
ずっと下って大正時代、宗教団体・国柱会の
創設者田中智学が、語感を整え「八紘一宇」とし、
広く世間に知られるようになりました。

三原氏は、この「八紘一宇」は、家族主義、また公正の理念であるとして、
グローバル企業の租税回避を防ぐための、国際的な新しいルールの
策定の必要性があることを、委員会で訴えたと言っているのです。

インターネットでは、彼女が女優・タレント出身で
あるところから、政治や歴史の知識がないのではないか
と批判したり、揶揄している記述が多く見られますが、
これまでの発言、インタビューから判断する限りでは、
かなりの勉強をし、知識を入れています。

批判する方も、それなりの知識を持たないと、
議論さえもできないと思われます。

年を重ねるにつれ、日本史及び世界史をもっと知りたくなりました。
最近日本史、世界史本がブームになっているのも、
同様の傾向なのかもしれません。

現在の日本及び世界をよりよく知るためには、
過去の歴史の教訓を学ぶ必要がある。

もう一度、しっかりと歴史を勉強し直したいなと感じました。

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