毎日新聞の「赤坂電視台」という連載で、
来年1月10日から始まるTBS系ドラマ
「最高のオヤコ」に
出演する藤山直美さんが、登場しています。
その2回目で藤山直美さんが、お父さんであった
喜劇役者の藤山寛美(かんび)さんの言葉を
話されています。
《「したことは忘れなさい。
してもらったことだけ覚えていなさい」》
藤山寛美さんは、長い間、松竹新喜劇の看板役者、
大スターとして活躍した喜劇役者。
劇場だけでなく、テレビでも中継がありましたので、
小さい頃、見ていました。
大阪が本拠地でしたが、年に1ヶ月ほど
東京の新橋演舞場にも出演。
お客さんのリクエストに応えて演目を決める
なんて試みを行っていました。
どんな役でも演じられる万能な役者さんでしたが、
阿呆役が絶品。
なので「あほの寛ちゃん」とも呼ばれていました。
私生活では、派手な交遊ぶりが知られていました。
飲みに行ったお店の支払いを全部自分でもったり、
ホステスさんはもちろん、ボーイさんに至るまで
1万円単位のチップを配ったり。
中には車を買ってもらったという
黒服さんもいたなんて言われています。
こうした豪遊も、
「役者は遊ばないと華がなくなる」という母上の教え、
さらに自分を知ってもらい、芝居にきてもらいたい
という思いだったとか。
けれどそのために膨大な額の借金も作り、自己破産。
一時は、松竹芸能から契約を解除されもしました。
その後、負債を会社に肩代わりしてもらったものの、
返済のために休み無く働かないといけなかったようです。
そんな窮地に陥った寛美さんを
その人柄、才能に惚れ込んで、
助けてくれた人は多数いたよう。
自分は周囲の人に惜しみなく、
お金や愛想を振りまく。
しかし相手には見返りを求めない。
けれど、自分を救ってくれ、
世話になった人のことは決して忘れない。
そんな信念を持たれたのではないでしょうか。
以前、別のブログでも書いたのですが、
祖母も同じようなことを言っていました。
人というのは、自分が他人にしたことは
決して忘れないが、人からかけてもらった恩は
忘れるそんな生き物。
それを肝に銘じておきなさいと。
念の入ったことに別の言い方でも語って聞かせました。
人に貸したお金は1円の単位まで覚えているが、
人から借りたお金は、1円単位はもちろん、
いくらだったのか、借りたことすら忘れていると。
忘恩、恩を忘れること、恩知らずは、
人として最低のことだとされています。
自分も恩を受けたこと、そして人を
忘れないようにしないといけない。
記事を読んで、そう思いました。
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〇何かをもらうために、体の前で、
手を合わせ受け取るしぐさはすぐにできる。
しかし、誰かにあげようと手を差し出すのは、
できにくい。
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