先日、イチロー選手が4257本という安打の
記録を達成したときに、このブログでエントリーを書きました。
その際にイチロー選手の言葉を紹介しました。
「小さいことを積み重ねるのが、
とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」。
この言葉を思い出させる記事が
2016年6月20日の
朝日新聞に出ていました。
《チャリンコ地球1周分 84歳、自宅近所で達成》
http://digital.asahi.com/articles/ASJ6J434YJ6JPTIB006.html?rm=495
島根県邑南町に住み農業を営んでいる
84歳の三千田(みちだ)峰男さん。
この方は、2008年ころから自転車で自宅周辺をほぼ毎日走り続け、
6年近くかけて地球1周(約4万キロ)を走り切った方なんですね。
きっかけは、奥さんから、
「寝たきりになったら介護して」と頼まれたことから。
介護するためには、自分が寝たきりにならないように、
大腿(だいたい)筋を鍛える必要があるとして、
片脚立ちと自転車でトレーニングをすることにしたというのです。
ここまでなら妻思いの旦那さんということで、
よくある話かもしれません。
だかここからがすごい。
この日から、車で走って計測した自宅周辺の道22キロを
自転車で走ることにしたのですが、
ただ走っても続かないということで、
目標を地球の直径分(約1万2千キロ)に決めました。
そして2010年1月から、
記録を日記に付け始めたというのです。
これは何かをはじめ、それを達成するのに、
よく言われる鉄則を着実に行っていますね。
目標を具体的に立てる。
なんのためにその目標を行うのかを考える。
記録をつける。
驚いたのは、使っている自転車。
3段のギア付きのママチャリと呼ばれるもの。
さらに負荷を加えるため、足首に1.75キロずつの
重りを装着して走ったんですね。
このコースの中の山間部の高低差は
およそ250メートルもあるんですね。
これから気温30度を超えるような夏を迎えますが、
この男性はどうしたか?
やはり猛暑は避け、気温がある程度下がり、
直射日光も当たらない夜間に実施。
さらに律儀というか、不屈というか、
すごいのは、雪、台風など自分のせいでなく、
天候が悪くて仕方なく休んだ時でも、
あきらめてしまうのではなく、休んだ分を毎日のノルマに
プラスして、たとえば1日でコース3周したりしているんですね。
自分のさぼりが原因でなくても、
こげなかったのだから、
その分は頑張って乗る。
三千田さんは、こうして2012年に当初の目標だった
地球の直径を達成します。
そこで気を緩めず、次の目標をたてます。
「地球1周分」
たださすがに、年齢を重ねたことで、
コース1周にかかる時間はかつての2時間20分ほどから
およそ4時間へと延びてしまったそう。
けれど、しっかりと目標達成に邁進し、
2015年10月に目標達成。
さらに現在まで乗り続け、2016年4月には
4400キロプラスして、
444440キロに到達しています。
ここまで書くと、この男性は、超健康体かと
考えてしまうのですが、必ずしもそうではなりません。
指の腱鞘炎、膀胱炎に長年悩んでいる上に、
最近は腰痛が出て、歩くには2本の杖も必要なほど。
けれど自転車だと「不思議と痛みはない」とのこと。
確かに自転車の場合、腰、膝にかかる
負担は減りますので、歩くのに杖は使っている
人でも自転車なら大丈夫ということはあるかもしれません。
残念なことに、この偉業を始めるきっかけとなった奥さんは、
2年前に亡くなられたとのこと。
亡くなっても、やめようとはされず、
目標の達成を仏前に報告したとのこと。
やめてしまっては、精神的にダメになってしまう
と考えての継続かもしれませんが、
なかなかできることではありませんね。
今後ですが、三千田さんは、記録に挑戦するとき、
無理をしてしまったので、今後は健康を考え、
走る距離は減らして続けたいと。
「気力が続く限り続けたい」と決意を語っておいでです。
変化に応じ目標を修正しながらも、できることを続ける。
自分が理想としたいような生き方をされています。
一気にすべては出来ないかもしれませんが、
無理をせず、三千田さんの考え方、やり方から
学びたいものです。
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