2018年11月2日から日本公開、「華氏119」のタイトルの意味。元になったSF小説とは。

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2018年11月2日から日本公開された映画
「華氏119」。
https://gaga.ne.jp/kashi119/

アポ無し突撃取材で知られる
マイケル・ムーア監督の作品です。

彼はこれまで「ボーリングフォーコロンバイン」
「華氏911」など、アメリカ社会の問題をえぐりだした
ドキュメンタリー映画を数々、発表し続けています。

華氏911
http://www.kadokawa-pictures.jp/official/kashi911/

今回の新作「華氏119」は、どんな映画なんでしょうか。
そしてこのタイトルにはどんな意味合いが
込められているのでしょうか。

2018年11月6日にアメリカでは中間選挙が行われます。
上院下院の半数の定数の選挙が行われます。
この新作はそれに向けた反トランプ大統領映画とされています。

なぜアメリカはトランプ大統領を
生み出したのかが、描かれています。

ではタイトルの意味は、
華氏は温度を測る単位の一つ。摂氏に対応するもの。
ドイツ人ファーレンハイトが制定しました。
「華氏」はその中国語表記「華倫海」からとられました。
(ちなみに水の氷点を三二度、沸点を二一二度とし、
その間を一八〇等分した温度目盛りで記号F)。
ヤードポンド単位系を使っているアメリカなどで用いられています。

ではその後ろの「119」は。

2016年11月9日、ドナルド・トランプが
大統領選で勝利宣言をした日なんです。
(原題は「Fahrenheit 11/9」)

ムーア監督のこれまでの作品に、
これと同じようなタイトルがあります。

「華氏911」(原題「 Fahrenheit 9/11」)。
こちらの「911」は、2001年9月11日、
アメリカ同時多発テロ事件が発生した日です。
映画の内容はジョージ・W・ブッシュ政権の、
9.11テロに対する対応、イラクをテロの元凶と
きめつけ、戦争を仕掛けたことを厳しく批判するものです。
(2004年に公開。大統領選の年。ブッシュ大統領の
再選を阻止するために公開)

マイケル・ムーア監督の「華氏911」「華氏119」の
下敷きになっているのは、ベイ・ブラッドリの
小説「華氏451度」、またそれを映画化した
フランソワ・トリュフォーの「華氏451」です。

レイ・ブラッドベリの小説「華氏451度」は、
徹底した思想管理体制により、本を読むことが
禁じられた本なき社会を描いた作品。

華氏451度とは、およそ摂氏233度で、
本の素材である紙が
自然に燃え始める温度を意味します。

すなわち思想表現の自由が奪われたことを
象徴的に意味する温度なんですね。

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マイケル・ムーア監督は、こうした思想の自由を
制限する、民主主義の危機という意味合いで、
小説「華氏451度」に敬意を表して、自らの映画に
「華氏911」そして「華氏119」とつけたのですね。

なお「華氏911」というタイトルを巡っては、
「華氏451度」の作者レイ・ブラッドベリから、
なんの了解もなく、数字だけを変えて使っている、
内容も自作とは何の関係もないという旨の
非難のコメントが寄せられています。

最近、日本でドラマ「科捜研の女」(テレビ朝日系)を
もじったと思われるテレビドラマ「科捜研の男」
(フジテレビ系)が放送されることが発表されました。

日本、アメリカともに、本、映画、ドラマなどの
タイトルには、一般的に著作権が認められないため、
上記の映画またドラマも著作権法違反とは言えません。
なので業界、倫理的な問題はあるかもしれませんが、
法律的には問題はありません。

 

プロフィール
この記事を書いた人

35年以上にわたり、放送(TV、ラジオ)業界、イベント制作に携わる。
30年余り、放送関係の専門学校講師を勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に関するHPの制作、コンサルタントも、
行う。新聞は小学4年生から読み始め、多い時には13紙を愛読。現在は朝、毎、読、日経、日経流通、日経産業、産経、東京、日刊スポーツの
9紙を購読。取引先、図書館で地方紙、専門紙、雑誌もチェックする。
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