亀の知恵

萬年も役立つような森羅万象の知恵を紹介

*

夜中のセミの声。けれど日中、セミ捕りの少年は見かけない。

   

毎日、1時間ウォーキングをしています。
夏の間は日中、暑いので、日が暮れてから
歩くようにしています。

先日、午後11時すぎ、錦糸町の錦糸公園から、
北斎通りを経て、両国に向かう途中、
大横川親水公園にさしかかりました。

そしたらすごい蟬時雨。

ミンミンゼミ、アブラゼミ、
ツクツクボウシなどが鳴き声を競っています。

またおとといのやはり午後11時すぎ、
隅田川テラスからほど近い
浜町公園をぐるっと回っていたときも、
アブラゼミの声がやかましいほどでした。

ふと気になったことがありました。

小学生の頃、夏休みは、朝ラジオ体操をして、
朝ご飯まで体操の会場で遊んで、帰宅し朝食。

朝7時半ころからは30分の子供番組を見ます。
そこから外に遊びに出ようとする姿を見つけられ、
母親に叱られながら、「夏休みの友」を1ページだけ
必死にやって、勉強を終わらせ、学校のプールに。

1時間ほど泳いだら、学校近くの駄菓子屋で
アイスキャンデーを食べて帰宅。

その後、近所の友達と連れだって、
麦稈帽子をかぶり、セミ取りの竿、カゴ、
さらに「はえ取り紙」を持って、神社や公園に。

セミの鳴き声がこだまする中、走り回って、
セミを獲ったものでした。

ながながと昔のことを書きましたが、
そうセミと言えば、夏の日中のイメージ。

日が暮れると、一斉に泣き止んだように
記憶しているのですが、
今は夜中にも鳴いているのを不思議に思ったのです。

なぜなんだろうと思って調べたら、
東京などでは、2000年前後から、
夜鳴くセミ(夜セミ)が話題になり始めたようです。

その原因は、自分はおそらく、公園、街路樹を照らす照明
ではないかと考えたのですが、専門家によればまさにその通り。

さらに気温が夜中になっても25度を下回らない熱帯夜が
増えたこともその一因のようです。

明るさと温度(高温)が原因なんですね。

この夜に鳴くセミは、主にアブラゼミが多く、
西日本に多いクマゼミは夜にほとんど鳴かないとのこと。

クマゼミは西日本に多いと書きましたが、
もうずいぶん前になりますが、東京の真ん中、
四ッ谷の神社でクマゼミの鳴き声を聞いたことがあります。

地球温暖化で、クマゼミの北進が進んでいるみたいですね。

さて日中あまり出歩かないので、
気づかないだけなのかもしれませんが、
以前、夏休みだと必ずいた昆虫採集の子供たち。

見かけなくなりましたね。
(かわりにゲームでモンスターを捕まえている
子供そして大人は無数、見かける)

昔は宿題や自由研究として昆虫採集がありましたが、
今時の小学校ではそうした課題はないよう。
それも原因なのでしょうか。

自分が子供の頃は、宿題に関係なく、
セミを捕りに行っていました。

単純に楽しいから。

自分の父親の時分は、竿の先にトリモチを
つけていたそうですが、自分たちの頃は、
上にも書いたように、はえ取り紙の
ネバネバした所を竿の先につけてとっていました。

「カモヰ加工紙」の平紙。
シート状の紙の間にハエなどの虫を捕まえる
粘着糊がくっついています。

使う時は、上下の紙を開いて、
平たい場所に置いておくのです。

セミ捕りに使う時は、七夕の時に使う長い竹竿の先を
平紙の間に入れて、くるくる回し、粘着糊をつける。

それを引き出した後は、セミのいるところに狙いを定め、
羽の部分に竿先をすばやく当ててからめとるという寸法です。
(高学年になると、はえ取り紙をやめ、先端にセミ用の
小さな捕虫網をつけてとっていた)

下からそっと竿をもっていかないと、
セミに気づかれ逃げられ、
その時に「おしっこ」をかけられたりするんですね。

うまく捕まえても、竿からうまく外さないと、
羽がむしられて、死んでしまう。

また指や服に粘着糊がくっつくと、
とれにくいので、それらに付かないように
気をつけないといけませんでした。

そうこうしてカゴに目一杯いれたセミ。

家の近所で、日陰で涼んでいる年寄りが
セミの鳴き声をききつけると、子供たちにこう言ったものです。

「セミは1週間の命だ。逃がしてやれ」。
(地中から地上に出て羽化し、交尾し
1週間で亡くなると言われていた)

そう言われても、小さい時は、苦労して捕ったセミを
逃がしてやることができず、
そのままカゴにいれて、家に持ち帰る。

けれど次の日の朝には、みんな死んでいました。

上を向いてひっくり返って、脚を曲げて固まっているセミの姿を見て、
セミに限らず、生き物の命のはかなさを知ったのかもしれません。

「ぼくのなつやすみ」という大人に人気ゲームがあります。

それが人気なのは、無心で遊んだあの子供の頃が、
実は人生の中でも得がたく貴重な時間であると、
大人になってから気づくからかもしれません。

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