お店で年中販売している白い「えのきだけ」。なぜ白い。
11月の文化の日前後になると思い出す出来事があります。それは今から10年ほど前に、月に一度ほど、
通っていた長野での話です。そのとき、いろいろと親切にしてくれた一家は、米や野菜を代々、
育てている農家。そしてご主人は、鹿やイノシシなどを狩る漁師でもありました。
田んぼでの稲の収穫が終わり、冬に入る前、家、田んぼの裏山には、栗、キノコなどの秋の恵みが
たくさんとれるため、それを取りに行くのに忙しいのだそうです。
あるとき、見慣れない茶色のキノコをそこのお宅で見かけました。何か尋ねたら、なんとその答えは、
エノキダケ。エノキダケというと、白くて、固まって茎が長くて細いやわなキノコだと思っていたのですが、それは、工場で栽培している養殖物。白いのは、室内で育てられ、基本的に太陽の光を当てないからなんだそう。いやー、驚きました。束になっているのは、あの形の容器に菌床が入れられているからなんだとか。
天然のエノキダケは、茶色で形も違う。「茶えのき」も。
天然のエノキダケは、11月頃からがまさに旬。色は茶色というか黒っぽくて、形も、小さな傘が開いたようなものがびっしりと重なっているんですね。茎は長くなく、ほとんどが傘で平たい。養殖物が茎を食べる感じですが、天然物は傘を食べる感じです。
なお名前の「エノキ」は、木の榎。榎の切り株などによく生えるところから、エノキダケと名付けられたんだそう。
栽培されているエノキダケには、少ないですが、原木で栽培されているものもあり、それは、野生に近い色、形、味だとか。
また少し前から、スーパーなどで見られるようになったのが、「山茶茸・柿の木茸・茶えのき・味エノキ」といった名前で売られているもの。これは、茶色で、少し太く、よりしっかりして、歯ごたえがよく味も濃厚です。これは、栽培種に野生種を交配して人工栽培されたものだそう。
こうしたことを教わったのですが、知らないことばかりで驚きでした。
エノキ丼と自家製ナメタケとエノキステーキ
その農家で出してくれたのが、野生のエノキを使ったエノキ丼。エノキと細く切った油揚げを甘辛く
煮てご飯にかけて食べる丼ですが、独特なぬめりと歯ごたえ、甘みがあり、非常に美味でした。
これは天然物だけでなく、栽培ものでもいいそうです。
またエノキダケと言えば、あの瓶に入った「なめたけ」がよく知られていますが、その農家では、
栽培種を大量に買ってきて、自家製のナメタケを作るんだそう。それぞれ家庭毎の味付けがあり、
市販品では納得がいかないからと。
それと今ではTVなどでも紹介されていますが、あの栽培種の一番下の部分。あれ、捨てている方も
多いと思いますが、もったいない。菌床がついた所だけを取り除いて、適度な厚さに切り、フライパンで焼いて、軽く塩胡椒、醤油やステーキソースをかけると、まるでステーキのような食感と味に
なります。その農家で初めて頂いたときは、バター醤油味だったのですけれど、その風味と食感に、
これがエノキダケかと、これまでの常識を覆されました。まだの方は是非、お試しを。
エノキ氷とエノキペースト
また市販のエノキダケを適度な大きさに切り、ミキサーで寸断。それに水を加えて煮込んだ後、
冷やして、製氷室にいれて作るエノキ氷。一時、健康雑誌で紹介されブームになりました。
食物繊維、うまみがたっぷり含まれ、料理に加えると出汁のかわりになり、料理の味を良くし、
脂肪減少、お通じにも良いという触れ込みでした。
わが家でも、長野の農家さん。そして雑誌のレシピでしばらく作っていたのですが、面倒になり、
作るのを止めてしまいました。今では、エノキパウダーも販売されているみたいですね。
日本一のエノキダケの生産地である長野県中野市が、エノキダケの活用、エノキ氷の普及、
エノキダケを使った製品の開発に力を入れています。
JA中野、《からだに優しいえのき氷》
お世話になった長野の村に住む方々とは、長らくお目にかかれていません。近いうちに訪れ、
囲炉裏を囲んで、エノキダケをはじめ、数々の野生のキノコがたっぷり入ったキノコ汁を
頂きたいものです。
「マツコ&有吉かり天国天国」でエノキタケの謎を徹底調査
「マツコ&有吉かりそめ天国」で、エノキダケが取り上げられた。2023年1月27日放送。
MCの二人がエノキダケについて数々の疑問を投げかけたのがきっかけで、放送。
ずんの飯岡和樹が、清算全国1位の長野県中野市に出かけ、エノキダケの謎を徹底調査。
2022年11月30日、
《マツコ&有吉、知られざる“真のエノキの姿”に驚愕! 「ウチらが食べているのは何なの?」》
https://post.tv-asahi.co.jp/post-202892/
2023年1月27日
《ずん・飯尾、“エノキの真の実態”に衝撃!驚きの栽培方法に
「こうやって育てているんですか!?」》
https://post.tv-asahi.co.jp/post-208225/
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