先日、母が話した岐阜県の山の中の
町にある「城跡」について書きました。
親戚の実家があった場所。
敷地の半分は、他人に貸して、
そこに建物はたっていますが、
かつて実家の建物があったもう半分には、
建物はなく、畑となっています。
その敷地の周囲には竹が生えている土手があり、
春先にはそこで筍掘りをした思い出があると。
今日もまた昼ご飯の時に、その続きの話をしました。
城跡の周囲には、一族が数多く住んでいたとのこと。
そこから少し離れた場所には、遠い親戚である
古くからの酒造会社(造り酒屋)があり、
母が一番最初にお見合いをした相手だったんだとか。
相手は是非にと希望したのですが、
母はその場所にも行き、相手の親にも
会ったそうですが、結局、断ったのです。
「なんで断ったの?
その辺りではお金持ちで名家なのに」
「そうした古い家はしきたりだかなんだかで窮屈そうで。
それに今だといいけれど、まだ若かったから、田舎の
山の中に引っ込むのはいやだったから」。
戦後、海外からどんどん新しい映画、音楽が入ってきて、
若かった母は、それらを見に行ったり、聞きに、
住んでいた岐阜市内の繁華街はもちろん、名古屋まで
出かけていたそう。
そうした文化的で刺激のある生活が、酒蔵のある地方では
出来なくなると思ったというのです。
その酒造会社の方は、別の方と結婚。
その方は若死にしたものの、お子さんが跡を継いで、
現在も立派に営業を続けているようです。
「もしその蔵元に結婚したらどうなっていたか、
なんて考えたことは?」
「本当にどうなっていたかって考えたことはあるねー。
人生ってほんの小さな選択の違いで
大きく変わってくるんだと思うね。
でもどの選択をしていても良かったと後悔はしていないけどね」
この春、大ヒットした映画「ラ・ラ・ランド」では、
最後に主人公二人のカップルのもう一つの人生が
描かれます。
このシーンに「きゅん」となってしまったのですが、
人生経験を経ている人が見たら、
より深く感動する場面かもしれませんね。
もう一つの人生を思い描くけれど、
今に至った現在の人生も肯定する。
それが出来る人は、
良い人生を送れた人なのかもしれませんね。
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