大学時代の同級生のお父さんが
先日、亡くなりました。
そんなに頻繁に会っていた訳ではないのですけれど、
最後にあったのは、今から2年ほど前、
オーディオ、クラシックが好きということで、
自作のオーディオ専用の部屋に招待してくれ、
レコードを聴き、その後、話をしました。
自作アンプとスピーカーの
壮絶な音もさることながら、
非常に印象に残っているのは、
戦時中の話です。
戦時中、小学生だったお父さん。
優秀な生徒として選ばれて、
理系の特殊な教育を受けていたのだそう。
軍部は能力のある児童を集め、
早期天才教育を施し、軍隊に資する
武器、レーダーなどの開発にあたらせ
ようとしていたのだとか。
その教育のおかげで、電気を初めとする
理系の知識が身につき、それが、戦後、
ラジオやオーディオを自作する基礎と
なったのだそうです。
そんな話をお酒と美味しい食事をしながら、
延々としました。
新作のスピーカー、アンプが出来たら、
聞きたいレコードを手に入れて、
また試聴会をと、約束して別れました。
その後、大学の同級生から、
定期的にある連絡がとだえてしまいました。
すこしおかしいなと思っていたのですが、
何日か前、同級生そしてそのお父さんのことが、
すこく気になって、もしかして何かよくないことが
起こっているのではと心配になったのです。
こちらから、友達に連絡してみよう
と考えた矢先、まさに向こうから電話。
出た瞬間、これから言うことがわかりました。
「父が、今朝亡くなった」。
通夜に伺い、亡くなるまでの生活、
亡くなる日の話を聞きました。
最後まで自宅で過ごし、家族に見守られながら、
闘病生活を送ったとのこと。
お父さんは、自分に非常に厳しい人でした。
自らを律する人でした。
病人となっても、食事をする時は、
パジャマではなく、必ず通常の服に着替える。
自分に出来ることは自分で行う。
最後まで弱音をはかず、回復することを信じ、
生きようとしたと。
友達とその奥さん、また妹さんなど、
身の回りを世話した人たちが言うには、
身内ながら、人はそこまで頑張れるのか
と驚き、感激したと。
お父さんは最後の最後まで、闘病においても、
自分の生き方を貫くことで、
子どもたちに範を示したのでしょうね。
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