小さい頃、飼っていた犬。
雑種が多かったのですが、どれも賢い犬ばかりでした。
その中でも、ワンと名付けた白犬は、
お手、お座り、待てはもとより、
簡単な買い物までこなす名犬でした。
それに較べて飼い主の方はといえば、
おいしいおやつがあると、
「待て」が出来ず、すぐに食べたがるいやしさ。
親などから、「ワン」を見習えと言われたものでした。
そんな昔のエピソードを思い出したのは、
「マシュマロ・テスト−成功する子・しない子」
という本に出合って。
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マシュマロテストとは、文字通り、
マシュマロを使った検査(テスト)。
子どもの目の前にマシュマロを置きます。
すぐに食べてもいいのですが、その場合は
マシュマロは1つだけ。
しかし我慢できれば、
マシュマロ2つがもらえるというもの。
子どもの自制心を測る実験です。
最初にこの実験が行われたのは、1960年代の
スタンフォード大学のビング保育園です。
この実験を考えついたのは、上記の著者で、
同大学教授のウォルター・ミシェル氏。
氏は、のべ550人の子どもたちの追跡調査を
10年ごとに行い、評価したのでした。
教授によれば、この実験から、
子どもたちの将来が予想できるとのこと。
そう皆さんがお考えの通り、マシュマロを食べるのを
我慢できれば我慢できるほど、将来は明るいのです。
すなわち、
「四歳か五歳のときに待てる秒数が多いほど、
大学進学適性試験の点数が良く、
青年期の社会的・認知的機能の評価が高」い。
「二七歳から三二歳にかけて、肥満指数が低く、自尊心が強く、
目標を効果的に追求し、欲求不満やストレスにうまく対処できた」。
「三つ子の魂百まで」と言われますが、
この自制心は生まれつきのものなのか?
実験を行う4~5歳くらいまでで完成され、
その先は変わらないのでしょうか。
教授によれば、自制心は、子どもだけでなく、
大人になっても育てることは可能とのこと。
我慢、自制心を保つには、
具体的なメソッド、テクニックが有効のようです。
長くマシュマロに手を出さなかった子どもは、
その子どもなりのテクニック・スキルがありました。
例えば、短い歌を作って歌う。
変な顔をする。
マシュマロを写真だと思うなど。
そうしてマシュマロに対する欲望を
うまくコントロールできたという訳です。
こうした自制のスキルを身に付ける
有効な方向の1つが、「イフ・ゼン」実行プラン。
これは、あらかじめリハーサルをして、
それが自動的に実行できるようにすること。
あらかじめ誘惑に負けそうなシチュエーションで、
その誘惑に負けないリハーサルをしておくと、
実際、その場面に出会ったときに
誘惑に打ち勝つことができるようです。
それぞれ人には、自分が自制心を失いやすい
場面=ホットスポットがあります。
それを見つけることが大事。
それを知るためには、客観的に記録をしておくこと。
すなわち、日記をつけて、自分が自制心を失った場面を
記録し続けておくことを勧めています。
「私は本当に変われるのだろうか」
「その気がありますか?」
そう変わろうとする気持ちがあれば変われるんですね。
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