「両親は私が生まれた時に桐の木を植えてくれた。自分が亡くなったら木の下に眠りたい」。樹木葬。

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赤ちゃんから幼児の頃、母が仕事をしていたため、
近所のおばあさんに朝から夜10時頃まで、
見てもらっていました。

その夫であるおじいさんは、ある会社の守衛。
その前は、下駄作りの職人をしていたそうです。
家はその下駄工場のすぐ隣りにありました。

その家の前は、細い道と庭をはさんで、
下駄製造工場のオーナーの家と賃貸アパート。

小さい頃は小道や庭でよく遊んだものです。
そこに植えられていたのが、桐の木。

オーナーの家には自分と同年代の娘さんがいました。
オーナーが、娘さんの嫁入りに備え、
何本か植えたと聞きました。

その意味がわからなかったので、
世話をしてもらったおばあさん)に尋ねたところ、
昔は、女の子が生まれた時に、桐の木を植え、
嫁に行くときにそれを切り、箪笥などの
嫁入り道具に仕立てるという風習が
あったのだそうです。

桐の木は成長が早く、名前の由来は
「切る・伐る」からきているとの説もあるよう。

昔の女性の結婚時期である18歳前後でも
家具を作れるほど十分に大きくなるんですね。

おじいさんは、そのように植えられた桐の木から、
新婦がはく桐下駄も作ったことがあると聞かせてくれました。

そんな話も忘れるほど、
ずいぶんと年月が流れたある日、
年配の女性と知合い、食事の席で、
お話をしたことがあります。

そのとき、紹興酒を飲みながら食事をしていたので、
中国の女児酒(女児紅)の話から、
桐の木の話題になったのだと思います。

女児酒(女児紅)とは、揚子江周辺で醸される紹興酒の一種。
娘が生まれた時、地下に埋め、およそ18年ほど貯蔵。
その娘が嫁入りする時に掘り出してお祝いに飲むのだそうです。

その女性も、両親が生まれた時に、
庭(畑?)に桐を植えてくれたのだそう。

桐の木を自分と重ね合わせ、見守り、
見守られながら、競い合うように
成長したんだそうです。

嫁入りが決まった時には伐採され、
桐箪笥に仕立てられ、それと一緒に、
実家から嫁いでいったとのこと。

桐箪笥は、結婚生活を見守ってくれました。
けれど次第に汚れ、金具もぼろぼろに
なってしまいました。

愛着があったので、桐箪笥の修理再生を依頼。
お嫁入りの時のような新品に生まれ変わったそうです。

その姿を見たとき、自分も元気が出たと
力を込めて話されました。

ご両親の愛、そしてその愛を受け止め、
大切にされているという話を聞いて、
こちらまで心がほんわりあったかくなりました。

「桐の木とは言わないけれど、
亡くなったら木の下に眠りたいのよ。
冷たい石の中は、さみしそうでイヤ」

ご主人は公営墓地に眠って
いらっしゃるのですが、
自分はそこには入りたくないと。

その墓の管理を、娘たちに
まかせるのはしのびないから
というのがそこに入りたくない理由の一つ。

夫の遺骨も移し、墓をしまって、
樹木葬にして欲しいというのが彼女の願いです。

「生まれた時に私のために桐の木を植えてくれた両親。
亡くなったら、今度は、娘たちが、夫と私のために、
木を植えてその下に眠らせてほしい」。

樹木葬を選ぶ方が最近、増えているそうです。
その中に、こんな物語を持った方もいるのだな
と感慨深く伺いました。

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