まもなくこどもの日、
昔は端午の節句。
この日前後に柏餅をいただきますね。
今日、お隣の奥さんから、柏餅をいただきました。
見慣れた柏の葉ではさんだものでなく、
ちまきに使う笹のような葉でくるりと全面、
巻いたタイプのものでした。
今は、こうしたタイプの柏餅もあるようです。
日経新聞の夕刊に《柏餅の葉 高くて困った》
との記事が出ていました。
現在、柏餅の柏葉は、ほとんど中国から輸入されているのだそう。
中国の人件費があがり、円高もあいまって、輸入価格が
前年比2割ほど値上がりしているとのこと。
柏餅の原材料費に占める葉のコストは、5~10%ほど。
消費が伸び悩む中、葉の値上げ分は、負担し、
例年並みの値段で販売しているところが多いそうです。
隣の奥さんからもらった柏餅、そしてこの記事を読んで、
昔、祖母から教えてもらった柏餅の由来についての
話を思い出しました。
柏の葉は、「譲り葉」と同じく、
新しい葉が出てから、古い葉が譲って落ちるのだそう。
ここから子孫が絶えず代々続く縁起が良い葉ということで、
柏の葉で包んで端午の節句のお供え物として、
食べられるようになったとか。
端午の節句の柏餅は、案外新しく、江戸時代の半ば以降だそう。
けれど柏の葉自体は、古代から食器がわりに使われたり、
包んでいたんだとか。
また神社などで「柏手を打つ」ことがあります。
柏手は、辞書には、「拍手」の誤記とか、
語源不詳とか書かれていますが、祖母は、
柏の木が、神の宿る木だからと話していました。
枯れても新芽・新しい葉が出るまで残る
柏の木の古い葉。
そこには樹木を守る「葉守の神」が宿っているのだとか。
源氏物語に「柏木」という登場人物、巻があります。
そもそも「柏木」というのは、皇居の守護の任務をおこなう
兵衛(ひょうえ)および衛門(えもん)のことを言います。
これは、柏の木に「葉守の神」が宿るという言い伝えから
生まれた呼び方なんだとか。
昔の人は、こうした行事、食を大切にし、
そこに伝わる考えを子孫に伝えていったのですね。
こうした伝統は途切れさせたくないものです。
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