亀の知恵

萬年も役立つような森羅万象の知恵を紹介

*

オスとメス、どっちが美味しい、優秀? 蚕、肉牛、うなぎ、タコ、鯛。 

   

2016年6月12日、毎日新聞の特集記事
「ストーリー」は、とても興味深いものでした。

《購入者参加 呉服店の挑戦(その1) 新種の蚕と紡ぐ夢》
http://mainichi.jp/articles/20160612/ddm/001/040/144000c

銀座の呉服店「銀座もとじ」が手がけている
新商品「プラチナボーイ物語」についてです。

反物を売り、仕立てるだけでなく、
購入者が生産農家を訪ね、桑の葉を刈り入れ、
蚕にやったりして、蚕の飼育に参加したり、
その蚕の繭から工場で紡ぎ、さらに生地を織るなどの
体験をして「自分だけの着物を創り出す」
というのが、この商品の大きな特徴だそう。

「プラチナボーイ」というのは、蚕の品種の名前。
世界で唯一の品種なんだとか。
どんな蚕なんでしょう?

《プラチナボーイは、遺伝子操作によって生まれた世界初の
雄だけの蚕。蚕業技術研究所が2005年に開発した。
卵を産むため体内にたんぱく質を蓄える雌より、雄が吐く糸は
20%ほど多い。細く、長く、光沢があり、切れにくくて丈夫、
毛羽立ちにくいという特長がある。》

いやー、知りませんでした。

オスとメスでこんなに違いがあったんですね。

蚕の世界では、メスよりオスが良いようですが、
肉牛の世界では、メスの方がもてはやされるそうです。

滅多にないことですが、高級なステーキハウスに行くと、
その日の肉についての情報が書かれている証明書を
見せてくれ、説明されることがあります。

ほとんどの場合、雌牛。
それも一度も出産をしていない未経産牛。

また肉牛の場合、雄牛は去勢牛のことで、
小さい時に、処理することで、
サシ(脂肪)が入りやすくなるんだそう。

牛肉の美味しさは、肉の柔らかさ、脂の味、見た目の美しさなど。
それらすべてにおいて、オスよりメスの方が評価が高いんですね。

雌牛の方が柔らかく、きめ細かく、不飽和脂肪酸が多く含まれて、
融点が低いため、口の中でとろけるような味わいとなるとのこと。

けれど、雌牛は太らせにくくて、飼育も難しいので、
流通するのは、雄牛が多いんだとか。

日本の中には、数多くのブランド牛がいますが、
その頂点に君臨するのが松阪牛。

そう呼べるためにはいくつかの条件があります。
その一つが、「子供を産んでいないメス牛であること」。

つまり松阪牛は、すべてメス牛ということになります。
http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/chikusan/c_matusaka.html

オス、メスどちらがおいしいか。

以前、鰻屋さんで聞いた時はメスでした。

うなぎの生態はまだわかっていないことがたくさんあるよう。
性別もそうで、一生の間に性別が変化するんだそうです。

現在、我々が食べているうなぎのほとんどは養殖物。
99%が養殖で天然物は1%にも満たないとか。

その養殖うなぎは、ほとんど90%がオス。

養殖うなぎは過密な状況で育てられます。
そうした厳しい環境になると、
うなぎはオスになるんだとか。

養殖でも過密状況が解消されると、
メスが増えてくるとも。

味ですが、鰻屋のご主人によると、
好みもあるかもしれないが、
メスの方が柔らかく、味もしっかりしていると。

実際、仕入れの段階ではメスの方が高いんだそう。

けれど、そもそも出てくるものが、オスかメスか
見分けがつかないし、性別を意識して食べたことがないし、
性別より、店ごとの技術の方が味に影響を与えるのでは
ないでしょうか。

以下では、結論として、
《メスのほうが品質が良いということも間違い
であろうと考えています。》

静岡県水産技術研究所 浜名湖分場
《メスのほうが品質が良い??》
http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/hamanako/6_pro/unagi_3-11.html

寿司屋さんで聞いたお話。

こちらは、小さい頃、大好きだったタコ。

蛸ももちろんオス・メスがいるのですが、
その見分け方は吸盤。

整然と並んでいるのがメス。
大きくて雑然とならんでいるのがオス。

そして身の味は、
メスの方が美味しいと言われています。

意識して食べても、違いは余りわけりませんでした。

《知識の宝庫!目がテン!ライブラリー》
http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/03/09/0928.html

さらに鯛。

鯛が一番美味しいのは、桜が咲く頃と言われています。

この時期は、産卵前の時期で、婚姻色に変わります。
オスは黒ずむのですが、
メスは、鮮やかな淡い紅色になります。

このため桜鯛と呼ばれるようです。

色鮮やかなのはメスですが、
子を持ってそれに栄養がとられるメスより、
そうでないオスの方が、
身の味は良いそうです。

さらに言えば、本当はその桜鯛の前の時期、
産卵に備え、栄養をためる時期の方が、
本来はもっとも美味しい時期なんだそう。

なので本当に一番美味しいのは、
桜鯛よりも前なんだとか。

雌雄の区別は顔を見ると分かるそう。

おでこが出ていて
険しい顔をしているのがオスで
優しそうな顔の方がメスです。
けれど、実際に見分けるのは難しいようです。

なお鯛は小さい時はみんなメス。
2歳頃からオスも出現するとのこと。

産卵時期が終わったあとは、
鯛の味は落ちてしまいます。
この時期の鯛は、麦わら鯛と呼ばれています。

四国の親戚は、この時期の鯛は美味しくないので、
絶対食べないと話していました。

また取れたてよりも、
いけすで1日ほど生かした後、しめて、
適度に寝かせたものの方が、
本来の鯛の味がして美味しいとも。

肉の世界では熟成肉が美味しいと言われていますが、
魚の世界、特に白身の場合は、生き締めをして、
寝かせる方がうま味がでるんだそうです。

締め方そして寝かせたものの味はなんとなくわかりますが、
オス、メスの味の違いまではまだまだ。

そんな細かな所まで
わかるようになりたいものですが、
味わう機会が少ないので、いつのことになるのやら。

〇羊毛ほか獣毛
雄雌の違いあり。
〇蚕は、匹ではなく頭で数える。

 

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