「赤ちゃん忘れ症候群」とは。静岡県の3歳女児置き忘れ死亡事件。

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ニュースな言葉

「赤ちゃん忘れ症候群」。アメリカで年間30件の車内置き忘れ死亡事故。

今朝の毎日新聞の余録に「赤ちゃん忘れ症候群」とのコトバが紹介されていました。

「赤ちゃん忘れ症候群」という言葉があるそうだ。米国では車内に取り残された子どもが熱中症で死亡する事故が年平均で30件以上起きている。原因を調べたところ、両親ら保護者が車内に残したことを忘れていた例が半数を超えた▲大事な子どもだ。そんなはずはないとも思うが、ベビーシッターや保育園に預けたつもりだったと嘆く親が少なくない。日常と違った行動をした場合などに記憶が抜け落ちることがあるという。

https://mainichi.jp/articles/20220908/ddm/001/070/129000c

「赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)」。心理学、脳科学の面から、
この研究を行っているアメリカのデビッド・ダイヤモンド博士が名付けた言葉だそうです。
DR. DAVID DIAMOND》(Kids and Car Safety)

この余録は静岡県で3歳の園児が送迎バスに置き去りにされ
死亡した事故を受けてのものです。
まだ記憶に残っていますが、昨年にも福岡県で5歳の男の子が
送迎バスにやはり置き去りにされて亡くなった事故がありました。
今回の静岡県のケースは、報道によれば、マニュアルはあったものの、
いくつものミスが積み重なり、不幸な結果となったようです。

バスの車内

余録では、このような置き去り死亡事件は、日本だけでなく、アメリカ、中国、
ベトナム、タイなど世界各地で発生していると伝えています。

事件防止のマニュアルを作っても実行するのは、人間。
どうしてもヒューマンエラーは発生します。それをどう防ぐか。
人間だけに頼らず車内に人がいる場合、それを知らせたり、
警告を発するシステム、機器をと思うのですが、
《欧米では車に取り残された幼児を検知するシステムの搭載を
義務化する動きも進んでいる》ものの、まだまだのようです。

車内に置き去りの子どもを検知するセンサー「VitaSense」

アメリカでは、すでにバスなどに取り付けられているセンサーもあります。
エンジンを切って一定時間が経過すると、呼吸するときの胸の上下の
動きなどを検知するセンサーが働き、ショートメッセージで
知らせてくれるというもの。
クラクションが鳴り、警告を発するものもあるようです。
日本では、車の内装部品などを扱う三洋貿易が、取り扱いをしています。

VitaSense 乗用車の車内に取り残された子供を検出するセンサー

北米日産の製品の中には、「リアドアアラートシステム」が装備されているものも。
これは《後部ドアのスイッチをモニターして、走行前後のドアの開閉状態を
検知する》システムで、《走行する前に後部ドアが開閉されたにもかかわらず、
走行終了後に後部ドアが再び開かれなかったことが検知された場合、
車両が駐車され、イグニッションがオフになった段階で、インパネ内の
ディスプレイに警告メッセージを表示する。それでも、ドライバーが
子どもを車内に残したことに気づかず、車両から離れた場合、
自動的に複数パターンの音を発するクラクションを鳴らして、
ドライバーに後部座席を確認するよう促す》ものです。
まだ日本では発売されていないようですが、発売して欲しいなー。

人による目に加え、こうしたセンサー、
機器で置き去りを防止するのがいいですね。

なぜ子どもを置き去りにしてしまうのか。防止法は

お子様がいらして、車を運転する親なら、子どもを置き去りにしかけて、
はっとしたなんて体験があるのではないでしょうか。
子どもではなく、ペットや買物した商品を車内に置き忘れたなんてことも。
車内でなく、外出する際に、絶対持っていかなくてはいけない書類を、
忘れないようにと玄関のシューズボックスの上に置いていたのに、
忘れたなんて体験を持つ人も少なくないのでは。

以前、こうしたケースについて、社会心理学、失敗学の本を読んだり、
専門家がコメントをしたのを見聞きしたことがあります。
その時の記憶によれば、普段のルーティンを
外れた行動をとると、こうしたミスを起こしやすいのだそう。
無意識のうちに同じ動きをしたりしますが、
人は普段ルーティンワークで動いているんですね。
また、普段と同じルーティンで行動していても、疲れていたり、
時間がなく焦っていたりなどすると、子どものことを忘れたり、
やるべきことが飛んだりするんだそう。
これは、思い当たることがありますね。
二日酔いなんかで寝坊して、あわてて外出なんて時に、
忘れ物したり、しがちです。

こうしたミスを防ぐ対策。
それは、子どもの置き忘れの場合なら、車を降りるときに、
後部の子ども座席の橫に、バッグ、財布など
必ず持ち出さなければいけないものを一緒に置いておく。
ただ、非常にあせっている時、注意力が散漫な場合など、
それすらも忘れてしまうことがあるので、注意が必要ですね。
知人は、ダッシュボードの上に滑らないマットを置き、
そこに全面張りのポストイットで、子どもとか、バッグとか
書いて貼っておくと対策を教えてくれたことがあります。

様々なテレビ番組などでも紹介されていますけれど、
SAのトイレでのスマホなどの忘れ物防止のための措置として、
トイレ個室の錠と小物置きトレイを一体化したものを
設置したところ、忘れ物が激減したそう。
こうした仕組みで防止するというのは効果ありますね。
忘れ物防止トレイ

また子どもの置き去り防止には、自分一人だけでなく、
他の人も巻き込むということも効果的ですね。
子どもを送り出したら、家族にLINEなどでメッセージを送る。
そう決めておけば、メッセージがない場合、連絡がきて、
本人が確認することが出来ます。
一人よりも複数の目ですね。
ただこれは子どもの車内置き忘れに限りませんが、
一つのことに対し、複数の人が、同じ場所にいる場合、
「自分ではなく、他の人がやってくれているだろう」と
みんなが思い込み、結局、誰もがしていなかった、
見ていなかったというミス、エラーも発生します。
複数の人の目が働いているから大丈夫
というのもエラーの元ですね。

様々な対策、機器で犠牲者がこれ以上、増えないことを願います。

本「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」

子どもの車内置き忘れをはじめ、様々なヒューマンエラーを防止するには
どうしたらいいか、研究が進んでいます。

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
ブログ「トクダス」
https://nikitoki.blog.ss-blog.jp/
ブログ「人生やり残しリスト」
https://yarinokoshi.blog.ss-blog.jp/

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