国立博物館で最終日の
ラスコー展を見てきました。
http://lascaux2016.jp/
最終日だけあって、チケット売り場から大混雑。
幸いチケットはもっていたので、そこは素早く
通過できましたが、中は動くことも
ままならない感じでした。
海外からの観光客も多く、
改めて日本への旅行者の多さを
実感しました。
その帰り、久しぶりにアメ横へ。
こちらも大混雑。
年末のやはり身動きできないほどの
混雑まではいきませんが、通り抜けるのに
かなり時間がかかりました。
前の人の後をゆっくりと歩きながら、
店の様子をうかがっていると、
鮭の切り身を売っているのが見えました。
8切れほどが一盛りで
1300円と書いてあります。
が値段のところに斜めに赤線がひいてあって、
その上に1000円とあります。
つまり一盛り1000円。
この鮭の切り身の安売りを見ると、
もう四半世紀ほど前のことを
思い出します。
年末に近かったでしょうか、
大勢の買い物客で混んでいました。
一軒の魚屋さん。
その前で立ち止まりました。
呼び込みのおじさんの声に
引き留められたのです。
もう値段は忘れてしまったのですが、
一盛りが、かなり安く感じたのです。
白い発泡スチロールの皿に、
切り身の鮭が何枚ものっています。
おじさんが、
「安いよ、安いよ。安くするよ」
と大きな声をあげるたびに、
それにつられたかのように、
どんどんと周囲のお客さんが
鮭を買っていきます。
買う時におじさんは、
脇から3枚ほど鮭の切り身を取り出して、
「はい、おまけ、大出血サービスだよ」と。
「今でさえ安いのに、さらに3枚もおまけなんて。
これは買わないと損だ」
なんだか勝手に一人で盛り上がり、
思わず一盛り、買ってしまったのでした。
「いい買い物をした」。
そんな高揚感と幸せな気分に包まれて帰宅。
意気揚々と鮭を出して、家族に見せたら、
「あー、こんなの買ってきたんだ」
といきなりため息とともにけなされました。
「いくらだったの」
値段を答えると、
「それだったら、近くの魚屋さんと変わらない。
質は全然違うけどね」
口惜しそうな顔をしているのがわかったのか、
すぐにその鮭を焼いてくれました。
食べました。
パサパサ。脂が全然のっていない。
なんだか変な臭いもする。
いつもの鮭とは全然違う。
これは……。
いつも買っている鮭は、
築地から直接持ってきている
魚屋さんから買っている銀鮭、
キングサーモンなどとても質がいいものだそう。
もともとの質がよい上に保存保管もよい。
牛肉といっても1キロ200円のものから、
数千円のものがあるように、
鮭にも質のグレードがある。
保存の仕方によっても味が全然違ってくる。
値段に釣られると、質を確認するのを怠る。
値段はやはり質をあらわす。
質を見極める目を養うのは
一朝一夕にはできない。
目利きのできない初心者・素人は、
信頼できる店・人から買うこと。
そんなことをこんこんと教えられたのでした。
昔、鮭の買い物で大失敗をして、
「安物買いの銭失い」品質、信頼、
信用の大切さということを学びました。
そういう意味では、あの時の鮭代は、
安い授業料でした。
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