「青天の霹靂」。
後ろの「霹靂」が難しいですけれど、
今では読める人も多いのでは?
劇団ひとりが「青天の霹靂」を小説で発表。
自らが監督をして同名の映画も完成させました。
2015年5月18日、毎日新聞の雑記帳に、
「青天の霹靂」の田植えが始まったとありました。
青森県の米の新品種の名前が「青天の霹靂」というんですね。
青森県は、本州の北端。
田植えも遅いんだなーと驚くとともに、
「青天の霹靂」という新品種の名前にもビックリさせられました。
今でこそ「霹靂」は「へきれき」と読める人が多いものの、
こんな難しいネーミングをするなんて。
《霹靂は稲妻のこと。「青森の天から降り注ぐ稲妻のように
驚くほどおいしい」との意味が込められ》この名になったようです。
市場にデビューするのは今年秋ですが、すでに2014年度の、
日本穀物検定協会の米食味ランキングでは、
最上級の「特A」を青森県内で初めて取得しているとのこと。
これは期待がもてますね。
青森県、「青天の霹靂」
http://seitennohekireki.jp/about.htm
名付けについて、見てみると、以下のように書かれています。
《「青」は青森の青、「天」は遥かに広がる北の空。「霹靂」は稲妻。
稲に寄りそい、米を実らせます。晴れわたった空に、突如として現れる
稲妻のような、鮮烈な存在になりたいと考え、名付けました》。
青天は、青く澄み切った空。「青森」の「青」ですか。
なるほど。
上のサイトで面白かった点。
《青森県の米の歴史 弥生時代最北の水田がありました》
《近年になり津軽平野の田舎館村の「垂柳遺跡」、弘前市の「砂沢遺跡」から
弥生時代の水田跡や用水遺跡、炭化米が見つかったのです。田舎館村・高樋の
弥生時代中期の遺跡で見つかった炭化米が国内最古の熱帯ジャポニカ米である
こともわかりました。青森県は昔から米と関わりのある地だったのです》。
〇稲と稲妻、雷と植物
古来、稲妻は「稲の夫(つま)」で、電(稲光)が稲に当たると、
稲が子をはらむ。すなわち電光は稲の夫であると考えられていました。
(江戸時代に「稲妻」と誤用。以後、そのままに)
実際、雷が多い時は、日照が多く、気温が高い、また降水量も多い
といった稲の生育に都合がよい気象となるようです。
このため、昔は,「雷が多い年は豊作になる」と言い習わしてきました。
また雷の空中放電で、空中の窒素が分解され、その窒素を、
雨が地中に溶かし込み、栄養豊かな土壌になるとも。
雷の多い年は、きのこ(松茸)が良く出きるとも。
雷ときのこの関係については研究も進んでいるそう。
ココリラ、《植物を育てる雷 [2010/09/25]》
http://www.cocorila.jp/article/articles.html?num=2010092501
〇雷、雷鳴、稲光、稲妻、雷光
上の本文中は、雷、稲妻などを分けて書いていないが、
雷は、「神鳴り」、「いかずち」。音に重点。夏の季語。
雷鳴も、音に重点。
稲光(いなびかり)、稲妻(いなずま)、雷光(らいこう)は電光。
光に重点。稲光は、秋の季語。
〇「青天の霹靂」の出典・由来
「晴天」は「晴れ渡った空」のこと。
「晴天の霹靂」は間違い。
南宋随一の詩人とされる陸游(りくゆう:1125~1209)の
作品「九月四日鶏未鳴起作」
(九月四日鶏未だ鳴かず起きて作る)中の
「青天飛霹靂(青天に霹靂を飛ばす)」
から、出た表現。
Web漢文大系「青天の霹靂」
http://kanbun.info/koji/seitenheki.html
「霹靂」とは、雷、稲妻、雷鳴のこと。
上の詩では、筆の勢いが激しいさまを言った。
そこから、突然の事変、大事件を言うようになった。
〇小説、映画「晴天の霹靂」
主人公は35歳の轟晴夫。売れないマジシャン。
警察から受けた電話は、父親の訃報。
そんな中、青く晴れた空から雷が落ちる。
彼の運命は大きく変わって行く。
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=6l438JVN-4k
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