2017年10月6日、
ある食堂で昼食。
御膳についていた味噌汁の具は
わかめとお麩(小町麩)でした。
最近はそもそも味噌汁自体、
ほとんどいただかないのですが、
具がお麩の味噌汁は、本当に久しぶりでした。
小さい頃は、ほぼ毎日のように、
味噌汁、スキヤキの具など、
お麩が何かしらの料理に使われていました。
というのは、実家の斜め前が、
お麩の製造卸しをしていたからです。
いろいろな種類を作っていたようですが、
一番覚えているのが、
もちもちの生地を棒のようにして、
釜に入れて焼き上げた、
まるでフランスパンのような棒麩(焼麩)
それを家のお使いで、
度々、買いに行っていました。
その棒麩は、料理に使うだけでなく、
幼稚園、小学校の頃は、
おやつとしても楽しんでいました。
焼き上がってすぐのお麩を
買い求め、家に持ち帰ります。
まだあつあつ。
それを半分に折って、
断面に指を突っ込んで穴をあけます。
指を火傷しないように気をつけます。
穴があいたら、そこに、
白砂糖を適量、入れて、
むしゃむしゃ食べるんですね。
当時、駄菓子屋では麩菓子が
売っていましたが、あれは、
表面に砂糖がまぶしたもの。
自分たちが食べていたのは、
中に砂糖を詰めたお麩で、
焼きたてなので、香ばしくて、
砂糖の甘さがしっかりとしていて、
お麩のさくさくとした食感にあって、
とても美味しかったのを覚えています。
おそらく今食べたら、
白砂糖の量でげんなりしてしまい、
またお麩がのどにつまって、
食べられないかもしれません。
残念ながら、その製麩所は、
夫婦二人で営んでいたのですが、
そこの旦那さんが亡くなった後、
しばらく奥さん1人でやっていたのですが、
結局、息子さん娘さんが跡を継がず、
無くなってしまいました。
砂糖を中にいれて食べるのはともかくも、
素朴ながら、昔ながらの製法のお麩が
失われてしまったことは残念です。
もう一度、どこか製造直売の
お麩屋さんをみつけて、
焼きたてのお麩をその場で
食べて見たいですね。
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