新年。
イタリア・ボローニャから、
日本の娘さんのところに来た
イタリア人の友人(女性)と
娘さんの家でお茶会をしました。
翌日から、母と娘の二人で京都に行くのだそう。
てっきり東京から新幹線で行くのか
と思って尋ねたら、
飛行機で羽田から伊丹。
そこから電車で京都に行くとのこと。
乗り換えの手間、トータルの時間などを考えたら
新幹線と思ったのですが、飛行機を選んだ
大きな理由は、新幹線の料金の高さとのこと。
(東海道)新幹線は正規料金も高く、割引料金でもかなり高い。
一方、飛行機は正規料金は高いが、割引料金だとかなり安い。
(また今回は娘さんの夫のマイレージを使ったので無料)
なのでこれまでも大阪・京都は大抵、飛行機だったんだとか。
海外在住の外国人の場合、新幹線乗り放題の
ジャパン・レイル・パスが格安で購入できるのですが、
「のぞみ」が使えないという大きな欠点があります。
(日本在住の娘は購入できない)
また滞在中に東京ー京都1往復くらいだと元はとれません。
(7日間有効、普通車用おとな¥29,110、
東京-京都、普通車指定席片道13,910円)
http://japanrailpass.net/about_jrp.html
イタリアにも、日本の新幹線のような高速列車があります。
もともと日本と較べて、鉄道運賃が安いイタリアですが、
高速列車も安い。
さらにこれまで高速鉄道は、かつてのイタリア国鉄で、
現在は民営会社のトレニタリア1社のみだったのですが、
フェラーリ特急と呼ばれるイタロを運営する
ヌオーボ・トラスポルト・ビアッジャトーリ社(NTV)が参入したので、
競争原理でサービスも良くなり、
正規運賃、割引運賃も安くなりました。
(さらにLCC、高速バスとの競争も激しい)
特に、事前の割引運賃は激安。
またフリーWi-Fi、食堂車、ランチボックスなど、
サービス面も充実しています。
イタリア人からすると、それらに較べると
日本の新幹線は割高と思えたのでしょう。
東洋経済、2017年8月24日
《「新幹線」正規料金安いが割引で世界に負ける
世界の高速列車の「料金」を徹底比較》
http://toyokeizai.net/articles/-/185339?page=2
《車両のスペックが「新幹線よりも明らかに上」
とも言われる「フレッチャロッサ(ETR1000)」を使った
ローマ―ミラノ間と比べても、新幹線の方が倍高い。
正規料金ではそれほど日欧間で差異はないが、
実際に旅行客が買い求める実勢価格で比べると
新幹線はやはり「高い乗り物」であると言わざるを得ない。》
(なおフレッチャロッサはトレニイタリア社の列車。
NTVのイタロの場合、一般的にはそれより安い)
ホリエモンとひろゆき氏の対談で、新幹線のサービス、
料金が高さが取り上げられ、話題になっているそう。
週刊プレイボーイ、
《ホリエモン×ひろゆきが複雑すぎてウザい!と不満
「使いづらいWi-Fi…ソフトが不十分な東海道新幹線」
[2018年01月06日]》
http://wpb.shueisha.co.jp/2018/01/06/97638/
《ホリエモン×ひろゆきが思案する東京-大阪の移動手段
「競争原理があれば運賃は半額以下に…」[2018年01月07日]》
http://wpb.shueisha.co.jp/2018/01/07/97640/
ここで二人が取り上げているのは東海道新幹線。
競争原理がないので、運賃が高止まりし、
サービスも良くないと。
ひろゆき氏は現在、欧州在住で、
その体験を具体的に語っています。
例としてあげているのは、
フランスのパリからベルギーのブリュッセルまでの鉄道運賃。
事前予約の場合、3500円程度と。(タリス)
パリからブリュッセルまでの距離は
およそ300キロで、東京-名古屋とほぼ同程度。
東京-名古屋の新幹線料金は、正規の場合1万1090円
(のぞみ・普通車指定席)。
ただタリスの当日運賃(2018年1月26日)で言うと、
2等(スタンダード)で99ユーロ(13365円)ほど。
(1等コンフォートで115ユーロおよそ15600円、
特等プレミアムで145ユーロおよそ19700円)
https://thalys.vsct.fr/billet-train/resultats?xts=&xtor=&hid=3K5&code=%2Ftrain-ticket%2Fresults
また事前割引で比較するなら、新幹線の場合、
EXこだまファミリー早特(普通車指定席)なら
7,900円。
https://jr-shinkansen.net/tokyo-nagoya.html
まあ事前割引の場合、新幹線が倍以上高いですね。
(所要時間はパリ北駅ーブリュッセルで
1時間30分ほど。東京ー名古屋は1時間40分ほど)
羽田ー伊丹に格安航空(LCC)が参入し、
航空会社間、さらに対新幹線で競争が起これば、
さらに安くなるかもしれません。
ただ両空港の過密具合からすると、
国内線のLCC参入はなかなか厳しそう。
〇JR東海、2018年1月25日、東海道新幹線の車内や駅で、
無料の公衆無線LANサービスを始めると発表。
今年の夏から順次、現行の「N700Aタイプ」の車両で整備を開始。
2019年度末までに131編成2096両全てで使えるようにする予定。
なお相互に乗り入れるJR西日本の山陽新幹線も導入に前向きとのこと。
事前契約なしで誰でも使える。
従来のLCX(漏洩同軸ケーブル)を使用したものではなく、
携帯電話の電波を使用したものを予定)
さらに現在、東海道新幹線の6駅で提供している
無料Wi-Fiサービス「JR-Central FREE Wi-Fi」を、
同新幹線全17駅に拡大。
さらに在来線の中津川、木曽福島、下呂、高山、津、伊勢市
など24駅(新幹線併設6駅を含む)に拡大。
2018年3月のサービス開始を予定。
また外国人利用が多い在来線特急「ひだ」にも導入。
(高山本線。外国人に高山は人気が高い)。
キハ85系ディーゼルカー全80両を対象に、
2018年夏から順次サービスを開始し、
2018年度末までに整備を完了させる予定。
なお無料の公衆無線LANは、
JR東日本は、東北、上越、北陸、秋田の各新幹線の
8割弱にあたる車両で、2019年度中に整備する方針を
2017年11月に発表済み。
〇現在、東海道新幹線を走るN700系や
N700AタイプでWi-Fiサービスを提供しているが、
NTTドコモやソフトバンクテレコムなどの事業者との契約が必要。
〇日本経済新聞、《イタリア鉄道旅 新しい顔と昔ながらの風景を楽しむ
日伊協会常務理事 二村高史 2017/2/23》
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO12934410V10C17A2000000
フレッチャロッサ、イタロについて記しています。
料金のみについて引用すると、以下の通り。
《料金はといえば、東京~新大阪間よりもやや長い
ミラノ~ローマ間の普通車で、現在の為替レートで
両者とも1万円くらいだから日本の新幹線並み。
在来線の列車運賃が安いイタリアでは、
目の玉が飛び出るほどの高額だが、実は割引サービスも多い。
変更や取り消し不可の切符なら半額から3分の1の価格になり、
ときには驚くほどの安値のプロモーションもある
(ただし席数が限られている)。切符は会員登録しなくても
インターネットですべて予約・購入できるので、
日本の鉄道よりも便利である。》
東京ー新大阪だと、
「のぞみ、普通車指定席」で14,450円なので、
日本の新幹線なみというのは、
ちょっと大雑把過ぎると思いますが……。
https://jr-shinkansen.net/tokyo-osaka.html
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