直木賞作家・黒川博行さんの新作「勁草(けいそう)」。
広告が2015年7月6日の朝刊に掲載されていました。
《直木賞作家が描き尽くすこれがホンマの警察小説や!》
とのキャッチコピーがあり、
《大阪を舞台に、チンピラ、ヤクザ、老人、刑事が
だましだまされ、追って追われる……。》
とあり、
最後に「勁草(けいそう)」の意味が広辞苑を引いて、
紹介されています。
《けい‐そう【勁草】[後漢書]風に強い草。
節操・意志の堅固なことのたとえ。》
([後漢書(王覇伝)「疾風に勁草を知る」]が省略されています》
そして、《転じて本作では、人のしぶとさ、したたかさを表した》
とあります。
《発売2週間で3刷決定!》とあり、よく売れているようです。
「勁草」で思い出すのは、「勁草書房」という出版社。
こちらの社名は、もちろん「勁草」に由来しています。
《「勁草」とは「勁(つよい)草」のことであり、中国の古典『後漢書・王覇伝』の
「疾風知勁草」(疾風に勁草を知る)に由来しています。常に時流に流されることなく、
信念を持って“良書の出版・普及に”との願いを込め、学習院院長であった
安倍能成先生がご命名くださったものです。》
http://www.keisoshobo.co.jp/company/cc197.html
「勁草」は、上の広辞苑、勁草書房の記述にあるように、
「疾風に勁草を知る」ということわざ・慣用表現として
取り上げられることが多いですね。
「疾風に勁草を知る」とは、
「激しい風(疾風)が吹いて初めてどれが強い草か
見分けられるように、困難に巡り会って、
初めて、その人が意志が強いひとかどうかわかる」
という意味です。
すなわち、人の真価は、
困難、逆境にあったときにわかる
ということですね。
「逆境の時の友こそ真の友」
「順境は友を作り 逆境は友を試す」
という言葉もありますけれど、
逆境というのは、自分や人の真の姿を
知るにはよい機会なのかもしれませんね。
人間の表裏をリアルに描く黒川博行さんの作品。
「勁草」では、どのような人のしぶとさ、したたかさが
書かれているのか、楽しみです。関連エントリー
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