どこで知ったか、教えてもらったか
忘れてしまったのですけれど、
次のような内容が頭に残っています。
「人が一番、幸せを感じるのはどんな時か」
という問いに対する答えです。
古今東西、人類が追い求めてきた問いと
その答えなので、一言では言えないし、
人によっても違うし……。
聞いた時は、まずそう思ったのですが、
そんなことをうだうだと
考え込んでは時間のムダ。
「どんな難問であろうと、
とにかく自分なりの答えを出してみる」。
それが第一の教えでした。
第二の教えは、ずばり上の問いに対する答え。
「人は自分のためより、他人のために
何かをしてあげ、喜ばれた時に、
一番、幸せに感じる」
いかがでしょうか?
「なんだそんなことか」とあきれた方も、
いらっしゃるかもしれませんね。
けれど、自分は、このシンプルな答えに
「なるほど」と納得させられてしまったのでした。
「他人」というのは、特定の人でなくても良いし、
人間でなくても、植物でも動物でも良いのだと。
話は飛びます。
ある高齢者の施設で働いていた
看護師の方に、以前、話を伺ったことがあります。
そこには、介護を受けなければいけない
という方ももちろんいらっしゃいます。
ふだん介護を受けている方が、いきいきする瞬間がある。
どんな時でしょうか?
それは、何か介護をしてもらった時ではなく、
自分が何か外の人のためにしてあげ、
それが喜ばれた時であると。
例えば、別の入所者のために、
お箸をそろえてあげたり、
新聞を目の前に出してあげたりなど。
それに相手が感謝し、お礼を言われると、
した方は、嬉しそうな顔をし、とたんに
元気になり、身体の調子も良くなるのだとか。
この話を聞いた時、上の問いと答えを
思い出したのでした。
さらに話は飛びます。
比較的、最近の話です。
高齢の1人暮らしの方。
その方は家にいらっしゃることが多い
のですが、来客もほとんどないそう。
なので特定の人のために出来ることは少ないのですが、
「趣味」としてやっていることが3つほどあるそう。
1つは、花の栽培。
今の季節なら、朝顔、ひまわりなどの花を
道路に面した所で育てる。
小さなプランター1つ。
水やりくらいで手間はほとんどかかりません。
道路を通る人が、花を見て少しでもなごんで
もらえればいいと思って、世話をしているそう。
誰かから「きれいですね」「いつもお花をありがとう」
などと声をかけてもらったことはないそうですが、
それでも幸せを感じ、とても満足しているとのことです。
2つめは、鳥へのえさやり。
夏の季節ではないのですけれど、
冬、庭先に、えさ台をもうけ、
そこにみかんやひまわりのタネなどを
置いておきます。
鳥たちがやってくる。
エサをついばむ姿を見ていると、
自分が、彼らの命の一助になっていると
とても嬉しいのだそう。
3つめは、もやし作り。
水につけたタネを、ザルにあけ、
ビニール袋をかぶせ、台所で育てているとのこと。
1週間もかからず収穫でき、
それを食べているそうです。
ご自身の健康のためでもありますが、
自分が手をかけたタネが、芽を出し、
成長する姿を見ると、
自分がまさに命を生み育てていると感じるとのこと。
人というのは、自分のためより、
動物、植物、そして他人のために
何かをして、幸せを感じる生き物なのかもしれませんね。
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