篠田桃紅さん。
ご存じでしょうか?
墨書のほか、金箔、朱泥を使った書や、
壁画・レリーフなども発表。
書家という枠にとらわれない作品を
次々と発表されている美術家です。
篠田さんがこの3月、
「103歳になってわかったこと」との新刊を出されました。
2年前の春、篠田さんは、
「桃紅百年」という随筆集を出されています。
そう100歳の時です。
66歳から99歳までの間に書かれたエッセイを、
3部、年代ごとにわけ、さらに
「桃紅百年のあゆみ」という年譜が添えられています。
その作品の筆致があまりに自由でおおらか、
みずみずしかったので、非常に驚いたのを覚えています。
それから、2014年には、「百歳の力」との本を出されています。
こちらは、100歳になっても現役、
そして第一線で活躍する秘訣を語るという体裁になっています。
「くじびきみたいな結婚なんて、とんでもない」と結婚をせず、
戦後、海外渡航が制限されている時代、ひとりニューヨークに渡り、
個展を成功させた人生を振り返っています。
「常識」に縛られず、「年齢」にとらわれず、
「わたし」ひとりで生きていく覚悟。
それが、篠田さんの作品を生み出し、
人生を決定づけているのだなと思います。
篠田さんは、1913年(大正2年)のお生まれ。
今年のお誕生日3月28日で満102歳、
数えで103歳になられるんですね。
最新刊のタイトルは、数えの年齢ですね。
この本では、篠田流の生き方、人生の楽しみ方を伝えるとの趣旨。
目次をあげておきましょう。
幻冬舎のこの本の紹介ページ。
《103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い》
http://www.gentosha.co.jp/book/b8718.html
《第一章 100歳になってわかったこと
・百歳はこの世の治外法権
・古代の「人」は一人で立っていた
・いい加減はすばらしい
第二章 何歳からでも始められる
・頼らずに、自分の目で見る
・規則正しい毎日から自分を解放する
・1+1が10になる生き方
第三章 自分の心のままに生きる
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい
第四章 昔も今も生かされている
・よき友は、自分のなかで生きている
・悩み苦しむ心を救った日本の文学
・唯我独尊に生きる》
これまでのエッセイ、本で述べられていることと
重なるところもありますが、さらに年を重ねられた
ことで新たな境地に立たれたようにも感じます。
《まあいいでしょう、とあきらめる》
《日常に「無」の境地が生まれてくる》
個人的には、《第三章 自分の心のままに生きる》
の《自分が一切である》、《自分一人の生き方をする》が
篠田さんらしく、今の自分の心にぐっと深く食い込んできました。
〇「桃紅」というお名前は、3月生まれと言うことも考え、
お父様が、「桃紅李白薔薇紫」から取ってつけられたもの。
桃紅李白薔薇紫(とうこうりはくしょうびし)
問起春風總不知(しゅんぷうにもんきすれどもそうにしらず)
松岡正剛の千夜千冊
《私というひとり》
http://1000ya.isis.ne.jp/0343.html
コメント
NHKのEテレ、ETV特集「墨に導かれ 墨に惑わされ~美術家・篠田桃紅 102歳~」が2015年5月30日に放送され、大きな反響があったようです。再放送は、2015年6月6日(土)午前0時00分。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259491/index.html
このエントリーにアクセスが集中しています。2015年6月12日放送のTBS
「ぴったんこカン・カン」スペシャルに、篠田桃紅さんが紹介されました。
綾瀬はるかさんが篠田さんのお宅、アトリエを訪れています。
1966年にザ・ビートルズのメンバーとして初来日。その時宿泊した
当時の東京ヒルトンホテルのVIPルームに、桃紅さんの作品
「無題」が飾られていました。
ジョン・レノンはこの作品に感動し、篠田さんに連絡をした
とのエピソードも紹介。
なお綾瀬さんは、ブログ主の自宅近所で、よく知っている
水天宮前のフランス菓子店「オクシタニアル 東京本店」も訪問。
そこのケーキも、めしあがっていました。
NHKのEテレ《墨に導かれ 墨に惑わされ~美術家・篠田桃紅 102歳~》
http://www.nhk.or.jp/etv21c/archive/150530.html
2015年6月30日、NHKの「おはよう日本」で篠田桃紅さんのインタビューが放送されました。「生きている限り、人生は未完」。ご本人の口から語られる言葉には、重みがありました。
「おはよう日本」での内容は、同番組のHPに詳しく紹介されています。
《2015年6月30日(火)103歳のメッセージ》
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/06/0630.html