チェッコリ。
韓国語です。
頭の片隅に、
このちょっと可愛い響きの言葉があります。
2016年6月7日、朝日新聞。
《リレーオピニオン》《カフェより4》
《本が結ぶ隣国との出会い》。
ブックカフェ「チェッコリ」店主の
金承福(キムスンボク)さんが登場しています。
神保町にあるブックカフェ「CHEKCCORIチェッコリ」は、
http://www.chekccori.tokyo/
韓国語3000冊、韓国に関連する500冊の
日本語の本が置いてあるそう。
金さんは、韓国の本を出そうと、
出版社「クオン」を設立。
これまで40冊ほど出版したものの、
置いてくれる書店が少ないので、
この「チェッコリ」を始めたのだとか。
「チェッコリ」とは、
《本を学び終えると先生に感謝し仲間と祝う》
《昔からの行事のこと》。
この習慣について、取引先の韓国人の方、
また大学時代(だったかな?)、在日の知合いから
聞いたことがあります。
日本で言う寺子屋のような所で、勉強。
そこで教科書(本)を一冊学び終えた時、
その子の親が、先生や一緒に学んだ学友に、
お餅などをふるまうこと。
現在でもその風習が残っていて、
親ではなく、自分で、先生や友達に
お菓子などをふるまい、知識をつけたことを
喜び、感謝するんだとか。
驚いたのは、韓国では儒教の影響が
いまだに残っているのか、年配や
先生に対する尊敬の念が非常に強いこと。
先生に感謝する
「先生・師匠(ススンエナル)の日」もあるくらい。
(5月15日)
日本では、学校の先生に対する尊敬の気持ちは、
戦後、民主化の影響か、かなり低くなってしまいました。
最近では、ため口で話す生徒もいるんだそう。
思い出すのは、大叔母の話。
戦前ですから、学校に限らず、
書道・珠算などの先生は
非常に尊敬されていて、敬われていました。
学期や学年が変わるとき、
また書道・珠算の場合は、
級が上がるときなどに、
先生に御礼をしたり、
雑用などを引き受け、
感謝の気持ちを表していたそう。
また教科書や本、ノートなどは非常に大切にし、
一冊学び終えたら、仏壇・神棚に供えて、
「学び終えました、ありがとうございます」と
感謝し、報告していたとも。
ノートも一冊終えたら、
捨てずに大事にとっておき、
まとめて簡易製本したりも。
(自分で穴をあけリボンなどでとじる)
戦前は、まだまだ女性が学ぶことに対して
偏見があり、制限されていたため、
学べる喜び、感謝は今以上に大きかったようです。
大叔母は当時では珍しく、
女学校まで学びました。
学業優秀で学びことが好きだったので、
それより上の師範学校か
大学進学を夢見ていたのですが、
時代がそれを許さず、結婚。
大叔母の望みはかないませんでした。
なのでその分、息子・娘には
十分な教育を受けさせ、
親戚の自分にも会う度に、
「しっかり学べ」と説いていました。
大学受験し、いくつか合格。
2つ目の大学の合格発表前に、
1つ目に合格した大学の納付金の期限が来て、
納めないと合格が取り消されてしまう
ということになりました。
自分や親は、納付金をおさめるのがもったいない
と思い、納めないと決めたのですが、
それを知った大叔母は、
「無駄になってもいいから」とお金を送ってくれたのでした。
結局、2校目も受かり、先に受かった大学への納付金は
無駄になってしまったのですが、大叔母は、
大学進学を非常に喜んでくれ、さらにお祝いをいただき、
恐縮したのを覚えています。
チェッコリという言葉に久しぶりに出会い、
大叔母の向学心と夢を断念せざるを得なかった無念さ、
さらに自分へしてもらった恩を改めて思い返しました。
〇似た響きの言葉に「チェッチェッコリ(チェチェコリ)
Che Che Kule (Kye Kye kule)」がある。
これはガーナ民謡。
囃子ことばで特別な意味はないそう。
「二酸化マンガン 酸化マンガン」と
替え歌で歌ったりした覚えがある。
サッポロ「まる福茶」のCMソングとしても使われた。
またフジテレビ「SMAPXSMAP(スマップ×スマップ)」の中で、
「ザ・チェッコリーズ」というコーナーがあった。
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