わが家の80歳を超える母は、
以前、医者に骨粗しょう症予防のため、
毎日、牛乳・乳製品をとりなさい
と言われ、それ以前から長年とっていた
牛乳のほか、チーズを食べるようになりました。
以前は、雪印(メグミルク)の6Pチーズばかりを
買ってきていたのですが、ここ最近は、
国産のカマンベールチーズを買ってきて、盛んに
食べています。
お医者様からではなく、同年代の知合いから、
カマンベールチーズは、認知症予防に効く
と聞いたからだとか。
本当かなと思って、調べたら、
そうした研究結果が出ていました。
東京大学大学院農学生命科学研究科とキリン株式会社、
そして小岩井乳業株式会社が共同研究したもの。
その研究で、カマンベールチーズをとると認知症の中でも
最も多いとされるアルツハイマー病への予防効果がある
とわかったとか。
そしてカマンベールチーズの中に、「オレイン酸アミド」
そして「デヒドロエルゴステロール」という有効成分が
あることを発見したと言います。
アメリカの科学誌「PLOS ONE」(2015年3月11日号)に掲載。
《Preventive Effects of a Fermented Dairy Product against Alzheimer’s Disease and Identification of a Novel Oleamide with Enhanced Microglial Phagocytosis and Anti-Inflammatory Activity》
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0118512
これまでも、疫学の分野では、
発酵乳製品をとると、認知機能の低下を
防ぐことは分かっていました。
けれど、具体的な認知症への予防効果のメカニズム、
有効成分はわかっていなかったのです。
今回の研究は、それらの点を
明らかにしたところに、価値があります。
アルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドβ」。
カマンベールチーズから作ったエサを与えたマウスは、
このアミロイドβの沈着が少なくなり、
脳の炎症症状が緩和されることがわかりました。
またカマンベールチーズの中には、「オレイン酸アミド」、
「デヒドロエルゴステロール」
との有効成分が含まれていることもわかりました。
オレイン酸アミドは、アミロイドβなどの老廃物を
除去する役割を担うミクログリアと呼ばれる
細胞を活性化し、抗炎症活性を示す成分。
またデヒドロエルゴステロールも抗炎症活性作用が
あります。
カマンベールチーズは、独自の白カビにより、
発酵を行いますが、その過程の中で、
これらの成分が生まれたと考えられているようです。
《東京大学大学院農学生命科学研究科 プレスリリース2015/03/12
アルツハイマー病を予防できる可能性 -
カマンベールチーズに原因物質の沈着を抑える成分を発見 -》
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20150310-1.html
まだマウスの段階で、これがすぐヒトの認知症にあてはまるか
は、今後の課題ですが、カマンベールをせっせと食べたくなりますね。
何事にも適当な量がありますので、
カマンベールさえ食べればとか、
カマンベールだけを食べ続けるのは、
良くないと思いますが。
ちなみには、母は、おちょこ2杯分くらいの
赤ワインとともに、夕食の後、カマンベールを
とっています。
赤ワインの中に含まれている
ミリセチン、レスベラトロールという
ポリフェノール系抗酸化物質に、
認知症予防効果があるとされているそう。
いやそれにしても、今どきの高齢者の
情報収集力には驚かされます。
テレビ、雑誌、新聞などをチェックし、
いい情報はすぐに伝わるようです。
負けてはいられないなー。
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