テレビの新企画が次々湧いてくる! 自由連想法の基本手順と応用例

この記事の主な対象者は、テレビ番組作りについて知りたい人です
はじめに　自由連想法とは。自由連想法を使うメリット
1. 自由連想法とは
2. 自由連想法のメリット
自由連想法の基本的な手順
基本手順に沿った具体例その2
自由連想法を使って考えた新企画
1. 「高齢者向けの教養番組」
2. 子供向けの料理番組
自由連想法の応用例　逆張り、異分野
1. 1，逆張り自由連想法
2. 2，異分野結合自由連想法
まとめ
対話型AIを相手にして自由連想法でアイデアを生む

この記事の主な対象者は、テレビ番組作りについて知りたい人です

この記事は、30年以上、テレビ・ラジオ番組の制作に携わり、
専門学校で番組の企画、構成を教えてきた人物が、
テレビ番組作りについて知りたい人向けに書いています。

はじめに　自由連想法とは。自由連想法を使うメリット

面白くて斬新なテレビの新企画を作りたい。
そんな時に役立つのが、発想法の一つである自由連想法です。

自由連想法とは

自由連想法とは、ある言葉（刺激語）から
自由に思いつく言葉（連想語）を書き出していくことで、
新しいアイデアを生み出す方法です。
刺激語と連想語の関係性を分析することで、
潜在的なニーズ、問題点を発見できます。

もともとは、精神分析の分野で考え出され、使われてきました。
現在では、マーケティング、さらには新商品、新サービス、
新番組などクリエイティブな分野でも使われています。

コトバンク、《自由連想法》
https://kotobank.jp/word/%E8%87%AA%E7%94%B1%E9%80%A3%E6%83%B3%E6%B3%95-22765

自由連想法のメリット

自由連想法のメリットは次の点です。

– 誰でも簡単にできる　　　　（特殊な技能、設備が不要です）
– 時間や場所に制約が少ない　（一人なら、いつでもどこでもできます）
– 創造性や発想力を高める　　（やり方に沿うことでアイデアをだしやくなります）
– 視野や知識を広げる　　　　（複数人の場合、自分にない考え方、知識が出てきます）
– 楽しくてモチベーションが上がる　（リラックスしてゲームのように行うことで楽しさが）

この記事では、地涌連想法を使ったテレビ番組の
新企画作りの基本的な手順と応用例を紹介します。

自由連想法の基本的な手順

自由連想法は、一般的に次のような手順で行います。

1. アイデア出し、企画作りのテーマを決める。
　例えば、「新しいバラエティ番組」「ドキュメンタリー番組」といった具合です。

2. テーマに関連する刺激語をいくつか用意する。
　例えば、「バラエティ」「ドキュメンタリー」、「笑い」「感動」です。

3. 刺激語から自由に連想する言葉を書き出す。
　例えば、「バラエティ」から「芸人」「ゲーム」
　「罰ゲーム」「トーク」「仕掛け人」など、
　連想した言葉を書き出すのです。（出来るだけ多く）

4. 連想語からさらに別の刺激語を選ぶ。
　例えば、上で連想して出てきた「罰ゲーム」を刺激語として、
　さらに連想して「水」「泥」「虫」「辛いもの」「恥ずかしいこと」など。

5. 刺激語と連想語を交互に繰り返していく。
　書き出した言葉は、マインドマッのように紙の上に図解したり、
　ホワイトボードなどに書き出して、可視化する。
　（現在では、パソコンなどでデジタル化できるが、
　初めのうちは、手が書き出すのがお勧め）
　（ここでは連続して連想していく方法を記したが、
　一つの刺激語から放射状に連想する方法もある）

6. 書き出した言葉の中から、アイデアの種を見つける。
　出てきた言葉を組み合わせたり、結合させてアイデアを生み出していく。
　例えば、「バラエティ番組」と「罰ゲーム」と「水」と「仕掛け人」から、
　「水をかけられる仕掛け人になりすまして、芸能人の反応を見る番組」。
　「水に関するクイズに答えられなかったら、水に落とされる番組」など。

7. 見つけたアイデアの種を具体化していく。
　例えば、「水をかけられる仕掛け人になりすまして、
　芸能人の反応を見る番組」なら、「仕掛け人は芸能人の友人や
　マネージャーなどに扮する」「水をかけるタイミングは、
　芸能人が何気ない質問に答えたときや、飲み物を飲んだときなどにする」
　「芸能人の驚きや笑いや怒りなどの表情を隠しカメラで撮影する」など。

基本手順に沿った具体例その2

もう一つ例をあげましょう。

1. テレビの新企画のテーマを決める。
　「若者向けのバラエティ番組」「女性向けのドキュメンタリー番組」など。
2. テーマに関連する刺激語をいくつか用意する。
　例えば、「若者向けのバラエティ番組」なら、
　「若者」「バラエティ」「笑い」「トレンド」「インフルエンサー」など。
3. 刺激語から自由に連想する言葉を書き出す。
　「若者」から「SNS」「ファッション」「恋愛」「就活」「コロナ禍」など。
4. 連想語からさらに別の刺激語を選ぶ。
　例えば、「コロナ禍」から「マスク」「オンライン」「自粛」「ワクチン」「感染者」など。
5. このように刺激語と連想語を交互に繰り返していく。
　書き出した言葉は可視化するとよい。
6. 書き出した言葉の中から、アイデアの種を見つける。
　例えば、「若者向けのバラエティ番組」と「オンライン」と「恋愛」と「ワクチン」から
　「オンラインで恋人探しをする若者たちが、ワクチン接種後に初めてリアルで
　会うまでの過程を追う番組」や「オンラインで恋人探しをする若者たちが、
　ワクチン接種後にリアルで会った相手と相性診断をする番組」など。
7. 見つけたアイデアの種を具体化。
　例えば、「オンラインで恋人探しをする若者たちが、ワクチン接種後に
　初めてリアルで会うまでの過程を追う番組」なら、「オンラインで
　マッチングしたカップルが登場し、ビデオ通話やSNSで交流する様子を紹介する」
　「カップルがワクチン接種後に初めてリアルで会う日時と場所を決める」
　「カップルがリアルで会って初デートを楽しむ様子や感想を密着取材する」など。

自由連想法を使って考えた新企画

自由連想法を使って、考えた新企画です。

「高齢者向けの教養番組」

1，- テーマ：高齢者向けの教養番組
– 刺激語：高齢者、教養、知識、趣味、健康など
– 連想語：高齢者から「老化」「孤独」「介護」「生きがい」など、
　　　　　教養から「文化」「歴史」「芸術」「科学」など
– アイデアの種：高齢者と教養と老化から「老化防止に効果的な教養活動を紹介する番組」
　　　　　「老化に関する最新の科学知識を解説する番組」など
– アイデアの具体化：「老化防止に効果的な教養活動を紹介する番組」なら、
　　　　　「脳トレや語学学習などの教養活動を実践している高齢者のインタビューや
　　　　　実際の様子を紹介する」「専門家による老化防止のメカニズムや
　　　　　効果的な方法を解説する」「視聴者にも参加できるクイズやゲームを用意する」など

子供向けの料理番組

-2，テーマ：子供向けの料理番組
– 刺激語：子供、料理、食べ物、楽しい、学ぶなど
– 連想語：子供から「好奇心」「遊び心」「成長」「安全」など、
　　　　　料理から「レシピ」「食材」「栄養」「味」「手作り」など
– アイデアの種：子供と料理と遊び心から「子供が遊び感覚で料理に挑戦できる番組」
　　　　　「子供が料理を通して世界の文化や歴史を学べる番組」など
– アイデアの具体化：「子供が遊び感覚で料理に挑戦できる番組」なら、
　　　　　「子供が自分で考えたオリジナルレシピを作って試食するコーナーを設ける」
　　　　　「子供が料理に関するクイズやゲームに挑戦するコーナーを設ける」
　　　　　「子供が料理に使う食材や道具を自分で選んだり作ったりするコーナーを設ける」など

自由連想法の応用例　逆張り、異分野

上に記したのは、自由連想法の基本的な手順による企画作りです。
ここからは、応用例を紹介します。

1，逆張り自由連想法

　刺激語から連想する言葉は、普通は関連性が高いものや一般的なものが多くなります。
　しかし、それでは予定調和で面白みに欠けたり、既存のものと似てしまったりしまいます。

　刺激語から連想する言葉とは逆の言葉を出していきます。
　そうすることで、斬新さやインパクトを高められます。
　例えば、「ドキュメンタリー番組」からは、
　「真実」「重厚」「シリアス」「教養」「社会問題」などが連想されます。
　それらとは逆の言葉を出してみましょう。
　「嘘」「軽快」「コミカル」「娯楽」「個人的趣味」などがあげられます。
　一般的な連想語とは逆の言葉を結びつけ、
「嘘つきドキュメンタリー：架空の事実や証言で作られたドキュメンタリーを見破れるか？」
「趣味ドキュメンタリー：個性的な趣味を持つ人々の生活や思いを紹介するドキュメンタリー」
　といった新企画のアイデアが出てきます。

2，異分野結合自由連想法

　刺激語から連想する言葉は、普通は同じ分野やカテゴリーのものが多くなります。
　意外性が無く単調になってしまいます。
　刺激語から連想する言葉を異分野や異カテゴリーのものにします。
　そうすることで新しい発見や驚きを生むことができます。
　例えば、「料理番組」からは、
　「レシピ」「食材」「栄養」「味」「手作り」などが連想されます。
　それらとは異なる分野やカテゴリーの言葉をぶつけます。
　「音楽」「スポーツ」「映画」「動物」「宇宙」などです。
　料理番組に下の異分野、異カテゴリの言葉を結合させてみましょう。
　「音楽料理番組：音楽に合わせて料理を作る番組」
　「スポーツ料理番組：スポーツ選手が自分の好きな料理を作る番組」
　といった新しいアイデアが。

まとめ

以上のように、自由連想法は、テレビ企画を作る時に役立つ発想法の一つです。
自由連想法は、以下のメリット、効果があります。

– 誰でも簡単にできる
– 時間や場所に制約が少ない
– 創造性や発想力を高める
– 視野や知識を広げる
– 楽しくてモチベーションが上がる

自由連想法のポイントは、次の通りです。

– 刺激語と連想語の関係性を分析する
– 逆張りや異分野結合などの応用法を使う
– 評価や批判はしない（特に複数人で行う場合）
– 数量より質を重視する（初めのうちは数を多く出す）

この記事では、自由連想法を使ってテレビの
新企画を作る基本的な手順と応用例を紹介しました。

アイデアを生む発想法は、自由連想法以外にも数多くあります。
まずは、この自由連想法を使い、数をこなしてみてください。
これまでより新しいアイデア、企画を生み出しやすくなると思います。
そうしたら、また新たな発想法を試して見ましょう。

参考になるサイト
日本創造学会
《１．発散技法－自由連想法[１．ブレインストーミング]》http://www.japancreativity.jp/category/brainstorming.html