ニュースな言葉「地盤培養行為」。河井夫妻逮捕に関連して。

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ニュースな言葉

今朝の毎日新聞の記事中に気になる言葉が。
「地盤培養行為」です。

あなたはこの言葉、ご存じでしたか。
自分は、政治の世界に疎いので、
この記事で初めて知りました。

2020年6月25日、毎日新聞、
《「自民関係者に買収目的交付罪適用も」 元特捜検事・郷原氏、河井夫妻逮捕で言及》
https://mainichi.jp/articles/20200624/k00/00m/010/304000c

元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士が、野党による今回の夫妻による公職選挙法違反事件に関する「実態解明チーム」の初会合での発言の中にありました。

郷原さんは、河井夫妻に現金を供与した自民党関係者に買収目的交付罪が適用される可能性があると。

《「今回の事件はかなり異例だ。これまで早い段階での活動は地盤培養行為として買収を適用してこなかったが、それを立件して河井夫妻を逮捕した」》。

さらに《「(これまでより)ハードルを下げて買収の摘発を行ったことで、ルビコン川を渡ったと言っていい」と語った》とのことです。

交付罪が適用されるには、買収が行なわれることを認識し、目的を持っての金銭を交付するとの要件が必要なようですが、自民党関係者に買収目的交付罪が適用される可能性があるとは驚きです。

それはそれで大きな問題ですが、ここでは「地盤培養行為」です。

地盤とは、日本で選挙で当選するために必要とされる、「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」の3つのバンのうちの一つ。
自分が出馬しているもしくは出馬する予定の選挙区のことですね。

地盤培養行為とは、地盤を培養、養う行為。
政治家、立候補予定者が、その地域に知ってもらい、根付く行為のこと。
以下のリンクでは、次のように定義されています。
《※地盤培養行為とは、ある選挙区を地盤としている者が平素から有権者と接触して、自己の政見その他を選挙人に周知させる行為です》

選挙区で普段から有権者と接して、政治家(候補予定者)の人柄、政見などを知ってもらい、身近に感じてもらう。
一般的に行なわれているのは、駅などに立って、自分の公約を主張したり、ビラを配ったり、あいさつしたり。(「朝立ち」などと呼ばれる行為。タスキには名前が入ってはいけないのだそう。大学時代同じゼミだった友人が市会議員に立候補。その前に駅前でこの「朝立ち」を行なったそう)。
後援会の入会リーフレットを持って、選挙区内の家を訪ねて回るなんてことも。この際も、入会を勧めるのはOKですが、 「選挙に出るので一票を」と言うのはNGとか。
ほかには、選挙区内の各種団体に入会したり、お祭、冠婚葬祭、会合などに出席する
といった行為も行なわれます。
そういえば、町内会の行事(納涼会、お月見会)などに、議員さんや秘書が、いつもマメに出席していましたね。

公選法では、立候補届が受理される前にする依頼などは、事前運動として禁止されていますが、上に記したような「地盤培養行為」は許されています。

《Q4.一般的に事前運動とはみなされない行為には、どのようなものがありますか?》
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/senkyo/1013287/1013291.html
《選挙運動について》
https://www.town.haboro.lg.jp/gikai-iinkai/senkan/senkyoundou.html

さて選挙の前などに、長期間にわたり、金銭を交付する行為は、
地盤培養行為として許されているのでしょうか。
河井夫妻は、今回の行為は地盤培養行為と主張しているようですが……。

例えば、お葬式に、飛翔ではなく、本人が出席し、香典を持って行くのはOK。
国会議員が地方議員に、お金を渡す行為は?
夫妻は、「地盤培養行為」。検察は「買収」と見ているようです。

〇《選挙違反、寄附に関する制限等》、事前運動、寄付の制限
《政治家などは、通常社交程度のつきあいであっても、金のかからない選挙を実現するため、選挙区内の者に対して一切寄附をしてはならないこととされています。この寄附には、花輪、供花、香典などすべて含まれることとなっていますので、事前運動とならなくても禁止されています》
以下もNG。

  • 時候見舞状や年賀状などを口実に、面識もない有権者に、多数のあいさつ状を配ったもの
  • 名前や写真を大きく入れた時候見舞や交通安全のポスターを多数、選挙区内に掲示したもの
  • 町内会を通じて、会員募集に名をかりて、後援会の結成趣意書を多数配ったもの
  • https://www.pref.aichi.jp/soshiki/senkyo/0000019563.html

〇自民党は1億5千万円の選挙資金を渡した。うち1億2千万円が政党交付金。
 自民党の二階幹事長は「広報誌を複数回、全県に配布した費用にあてられた」
 と説明。当然ながら、「買収」に使われたとの見方を否定。




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niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
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