ロシア、徴兵対象の若者の出国急増
ロシアのプーチン大統領が部分動員令を発令しました。最大で30万人の軍隊経験のある予備役を、
30万人を動員する予定であることを発表しています。
これを受けて、徴兵対象となる若者らが、フィンランドなど隣国に出国する動きがでています。
車で陸路、国境を越える人、また空路で国外に脱出する人などで、長い車列屋航空券の
売り切れていると伝えられています。
国内ではデモ。「腕を折る方法」検索急増
この動員令に対し、国内各地でデモが発生した、全国38都市でおよそ1400人が
警察に拘束されたとも。これらの人たちは、ウクライナ侵攻後に改正された法律で、
刑事罰を受ける可能性があるとのことです。
予備役が対象とされていますが、それに限定されておらず、全体像は明らかにされていない所から、
対象となりそうな国民は、不安を募らせ、徴兵を避けようとした動きが広がっています。
その一つが、「腕を折る方法」をインターネットで検索すること。
腕を折ることで、徴兵、招集令状を逃れようとする動きですね。
![](https://kamenochie.com/wp-content/uploads/2023/01/2496612_s.jpg)
日本、太平洋戦争中の徴兵忌避、醤油の一気飲み
このニュースを読んで思い出したのは、祖母、大叔母、伯父さんなどから聞いた
太平洋戦争中の徴兵逃れの話です。
戦争中は、まず20歳に達した成人男性は、全員徴兵検査を受けることが義務づけ
られていました。そこで甲種、乙種などと判定され、兵役に適さない者には、
赤紙(召集令状)が来ないという仕組みです。
このため徴兵逃れとしてこの徴兵検査の前に、様々な方法で一時的に
健康を害したように見える工作が行われたようです。
その方法の一つとして有名なのが、醤油の一気飲み。塩分を過剰にとることで、
血圧を上げ、体調を悪化させ、判定を悪くするというものです。
ほかにはタバコを過剰に吸って、体重を減らし、またせき、タンなどで結核を
装うという方法もあったようです。
そんな方法は、一時的なもので医師が見れば、偽装と簡単に判定できると
思いがちですが、医師の目こぼし、また戦争が進行し、医師が不足するなどして、
経験の浅い医師が誤診するなどで、徴兵検査で悪い判定となり、徴兵を逃れたケースも
あったそうです。
特にこの時代、結核は不治の病で、集団生活では感染の恐れがあるので、
徴兵できない大きな原因だったよう。重い風邪、肺炎を結核と判断され、
徴兵されなかったケースもあったみたいですね。
日本で再びこうした徴兵制、徴兵忌避が起こらないことを願います。
丸谷才一の傑作「笹まくら」。徴兵忌避者の物語。
徴兵忌避で思い出すのが、丸谷才一の長編第二作「笹まくら」。「徴兵忌避者」として5年間、
逃げ回っていた男の物語です。
刑法改正、出国禁止、天声人語
プーチン氏が、24日に署名した刑法改正案。戦時や動員下での兵役忌避や投降、
命令不服従に対する法定刑が厳罰化されています。「自発的な投降」の項目が追加。
刑罰を懲役3~10年とのこと。
また予備役の男性の出国が続いていますが、プーチン政権は、28日にも、
対象の男性の出国を禁止にする方針のようです。
2022年9月26日、天声人語は、大正時代、太平洋戦争中の日本の徴兵忌避をあげ、
ロシアの部分動員令について記しています。
《徴兵からどう逃れるか。大正時代、都市の青年たちが用いた方法に、農村や漁村へ戸籍を移すというのがあった。立派な体格の農民や漁民にまじって徴兵検査を受ければ、都会育ちの身体は見劣りする▼兵役に最も適した甲種合格を避けるのが狙いだった》。この後、太平洋戦争下、しょうゆを大量に飲む
忌避法を紹介しています。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15427006.html?iref=pc_rensai_long_61_article
コメント