お宅には、百科事典、世界文学全集は
ありましたか?
もちろん紙のものです。
わが家にももう何年前になるでしょうか、
ジャポニカと、少年少女世界文学全集、
さらに集英社(?)の世界文学全集がありました。
というか今もあります。
たしか自分が小学生か中学生の頃、
両親が買いそろえたものです。
自分たちが使うというより、
子どものためですね。
それはわが家だけでなく、
近所の同級生の家、
同じ年頃の子どもがいる親戚宅など、
かなりの普及率でした。
自分より少し年上の知合いのお宅も、
やはり百科事典、文学全集などを
買いそろえたそう。
知合いは大学で家を離れ、さらに就職して
各地を転々としたのですが、実家は変わらず
同じ場所に。
買いそろえた百科事典は
全巻を予約するとプレゼントされた
本棚に40年あまり収まっているんだそう。
ご両親も年を取り、
実家の不要なものの整理を
何年か前から始めているんだそう。
毎日、生活している台所、リビング、
寝室は真っ先に片づけたものの、
応接間、知合いの部屋は、最後まで
そのまま手つかずだったとのことです。
けれどそのままにしておくことは
出来ないとついに整理にとりかかることに。
整理のために知合いの所に、ご両親から
連絡があったといいます。
実家は年に何度か帰っているものの、
自分の部屋、応接間には入ったことが
なかったんだそう。
久しぶりに部屋に入ってみて、
百科事典の箱をとり、中を眺めてみたと
いいます。
そうしたら、ページのはじっこに、
手垢がついていたり、鉛筆で書き込みが
してあったりしてあったそう。
そう知人が読み、書き込んだもの。
それを見て、昔に引き戻されたといいます。
結局、20巻ほどを全部、見返したと。
夏休みの宿題、社会科のレポートなど
百科事典を読んで、まとめたことを
思い出したそう。
ただこのまま実家に置いていては、
いつまでも実家が片付かず、
また自分のマンションに引き取るにしても
場所がないので、最終的に処分することに
決めたとのこと。
ただそのまま捨てるのは余りにも寂しいので、
自分の書き込みが多くされていたところを、
デジカメで撮影したといいます。
それで処分することに心の整理がついたとも。
その夜は、両親と食事をしながら、
百科事典や文学全集の話に。
ご両親は息子さんの話を聞いて、
少しでも役立ったなら買った甲斐があった
と喜んでいたそう。
当時は毎月1冊ずつ配達され、
支払いも月賦で支払っていたそう。
当時の給料から考えると、ちょっと背伸びした
高額な買い物だったんだと語ってくれたと言います。
次の日、知合いとお父さんが、
何回かに分けて、部屋から
外に本を運び出し、依頼した業者に
他の不要品とともに処分したそう。
トラックで運び出されるのを見ていたら、
長年飼っていたペットが持って行かれるような
思いになったそうです。
なんだか知合いの気持ちが
わかる気がしました。
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