広島の原爆で全く消息が不明になった母方の叔父。お墓には小石のみ。

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今日の昼、NHKのニュースを
母、家族と一緒に見ていました。

広島の記念式典の様子が放送されていました。

母はそれを見て、初めて気づいたように、
「今日は広島に原爆が落とされた日だったんだねー」
と語ったあと、ため息をつきました。

それからしばらく間が空いたあと、
母は、自身の叔父について話し始めました。

母の故郷は岐阜ですが、
その叔父は、学校を出た後、
広島で働いていたのだそう。

昭和20年8月6日はもちろん広島に。

原爆の犠牲になったのですが、
爆心に近かったためか、
何も残らなかったそうです。

原爆投下からずいぶんたってから、
別の叔父、祖父らが広島を訪れたものの、
遺品も何も見つからなかったので、
住んでいたであろう場所の小石を拾って、
それを先祖代々の墓に入れたとのこと。

叔父さんの遺体・遺品はもちろん
住んでいた家、勤め先などの痕跡が、
まったく残らなかったと言います。

あれから70年あまり。

母の記憶も薄れ、年年、それは消え去っているよう。

その下の世代である我々は、叔父さん(大叔父)の
記憶、思い出は、母たちが語ってくれた
わずかなものしかなく、全く実感がありません。

月日が経つにつれて、母の記憶が薄れていくのは
しょうがないとは言え、このまま消え去っていくのは
寂しいものです。

母が覚えていることを聞いて、
叔父さんがこの世に生きていたという記憶を
少しでもとどめたいと感じました。

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この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
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