食の仕事をしている方と食事をしました。
その方が、
今一番関心をもって
取り組んでいるいるのは、
フードロスだとか。
フードロスとは、
食べられるものが捨てられてしまうという問題。
料理の食べ残しだけではなく、
生活者、流通業者、販売者、企業など
それぞれの段階で食品の廃棄が
問題になっているとのこと。
その方は最終的に食品を加工して
料理を作る仕事なのですが、
材料また料理の無駄をできるだけ
出さないように工夫しているのはもちろん、
取引先の方にも、廃棄をしないようにお願い
しているとのこと。
しかし相手は金を支払ったものだから、
こちらの都合で食べるのも処分するのも
勝手という意識の人が多いんだそう。
「もったいない」との言葉が、
日本から世界に発信されているように
思ったのですが、食品に関しては、
まだまだそうした考えは浸透していないようです。
食事をしながら話をしたのですが、
その際に話題になったのは、
「関東の一つ残し」。
大皿などに盛られている料理を
最後に一つだけ残すことですね。
関東だけではなく、日本中、どこにでも
ある習慣のようです。
その時はさすがに一つ残すということは、
なかったのですが、その方によれば、
若い人でも今でもそれを実践している
人は多く、結局そのまま下げられてしまう
といったことも。
なので、そうした場合には、その方は、
一番食べられそうな人に、
「どうぞ最後、召しあがってください」
と勧めて、皿の上を全部きれいにすると言います。
最近、そうした若い人と会食する機会が
ほとんどないのですが、今でも一つだけ
残すこの風習は生きているんですね。
小さい時、ご飯をおかわりするときは、
お茶碗に一口だけ残すと教わりました。
もともとは茶懐石のマナーなんだとか。
おかわりが必要ない時は、
すべて食べて、空っぽにする。
考えてみれば、
これはフードロスをしない
ということですね。
茶道に影響を与えた禅宗では、
食事も修行の一つで、だされた食べものは
一切残さず、お椀に少し白湯を入れ、
香香で椀の内側を拭うそうですから
徹底しています。
ところが、以前、ある地方の宴会に
招かれた時は、面食らいました。
ご飯やおかず、料理はそれぞれのお皿に
盛られていたのですけれど、それをすべて
食べて空っぽにしてしまったところ、
後で、「十分なもてなしが出来なかったようで、
申し訳なかった」という趣旨の謝罪をされました。
そこの地方では、食べ残してはじめて、
十分におもてなしをしたことになる。
なので少し残さなくてはいけないのでした。
あなたの住んでいる所ではいかがですか?
最後に残すというのは、
中国、香港などでもそうですね。
以前にも記したのですけれど、
長野も、昔は、宴会でたくさんの料理を出し、
多くの食べ残しを出していたそう。
しかしもったいないということで、
県をあげて、食べ残しをなくそう
というキャンペーンをやっています。
(現在は、「残さず食べよう!30・10(さんまる・いちまる)運動」)
《食べ残しを減らそう県民運動~e-プロジェクト~》
http://www.pref.nagano.lg.jp/haikibut/kurashi/recycling/shigen/kenminundo/index.html
《宴会が始まった最初の30分と最後の10分間は
自分の席について料理を楽しみ、食べ残しを減らしましょう!! 》
大きな成果があがっているようです。
宴会に限らず、
これからは、フードロスをしない
ということが日本だけではなく、
世界的なマナーに
なっていくのかもしれませんね。
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