「味気ない」という言葉があります。
味気は当て字だそうですが、
物事に味わいや、面白み、はりあいが
感じられず、つまらない様子を指します。
食べもの・料理に味がなくなったら、
まさに味気なく、人生はつまらないものに
なるのではないでしょうか。
自分より少し上の男性の知合い。
先日、長年のなじみの小料理屋を
訪れたんだそう。
注文しなくても、自分の好みの
料理が次々と出てくる。
そんなお店です。
席に座って、そこの女将さんと、
近況など話しているうちに、
突き出しが運ばれてきました。
箸を付けたところ、
なんと味がしない。
おかしいなと思って、もう一口。
冷たさ、汁で湿った感覚はあるものの、
相変わらず、味がしない。
驚いて、女将さんに、
「ちょっと味がしないんだけれど……」
と、指をさして伝えたところ、
すぐに突き出しを引き取り、板前さんが確認。
しかし味に不備はなかったみたい。
さらに女将さんも確かめたところ、
しっかり味付けされていたとのこと。
女将さんがやってきて、
「2人で確かめましたが、いつもの味付けです」
と告げられたのだそう。
そういえば、最初に口をつけた
ビールも、なんだか味がしなかった……。
そこで、もう一品と考えたのですが、
カウンターの上にあった、醤油を
なめてみることにしたと言います。
小皿にとって、なめてみたところ、
やはり味が感じられない。
ここで、自分の味覚がおかしいことに、
気づいたといいます。
その日は早々に切り上げて帰宅。
眠ろうと思って、
はやく床についたのですが、
なかなか眠れなず、原因や
最近の異変を考え続けたとか。
翌朝、仕事帰りに、耳鼻咽喉科に。
口腔、鼻腔の検診、
味覚をしみこませた紙による検査などを
行なったところ、複合的な原因
と診断されたとのこと。
少し前にひいた風邪による
鼻炎、鼻のつまり(急性蓄膿症?)の影響。
高血圧のため服用していた
降圧剤(薬)の副作用。
多量の飲酒、偏った食生活による亜鉛不足。
口腔内の舌苔、歯垢などによる汚れ。
知合いは60歳前ですが、加齢による
味覚障害もあるとのこと。
風邪、鼻炎の薬、亜鉛製剤を処方され、
また歯科医での歯、口腔内のクリーニングも
勧められたとのこと。
また高血圧に伴う降圧剤については、
担当の内科医と、薬剤の種類、量に
ついて相談するようにともアドバイスされたそう。
すべてを一度に行なった訳ではないのですが、
処方された薬、亜鉛製剤を飲み、
食生活にも気をつけ、
さらに歯科医でのクリーニングなどにより、
味覚が蘇っていったとのことです。
タケダ健康サイト
味覚障害
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=mikakushogai
上とは逆に、料理の味付けが濃くなった、
醤油などを異常なほどかけるといった場合も、
味覚障害の恐れがあるので、診察を受けた方がよいとも。
とにかく味の好みが急に変わった場合は、
要注意だそうです。
耳鼻咽喉科、歯科、
また味覚障害の専門外来などで診察。
専門外来の一例
日大板橋病院、味覚外来
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/shinryo/s_jibiinkou.html
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