テレビのワイドショー、週刊誌などで、
最近、目に付くのが、
「ゲス不倫」「ゲスの極み乙女。」
「ゲス男」「ゲスい」。
この「ゲス」が気になったので、
改めて調べてみました。
ゲスは漢字では
「下種・下衆・下主・下司」と書かれるよう。
意味は、「身分や素姓の卑しい人」「召使い」。
他の言葉に言い換えると
「下賤(げせん)」「下臈(げろう)」「下手(げしゅ)」。
また身分にかかわらず、
「品性が下劣・下品であること」、
そうした人、そのようなさまを指します。
「下種」の逆は、「上種(じょうず)」。
「身分の高い人。貴人。上﨟 (じようろう)」
なお特に「下司」と書かれる場合は、
もともとは官職の下のものを指したようです。
「げす」の慣用表現では、
「げすの後知恵」「げすの知恵は後につく」
(下賤の者は、物事が過ぎてから名案が浮かぶ。役に立たないもの)
「げすの一寸のろまの三寸」
(下劣な物は戸を一寸、のろまは三寸開け放す、
気配りして戸・ドアなどを閉めなさいという戒め)
「げすの勘繰り」
(品性が劣る者は、ひがみ、余計な邪推をするもの)
「ゲスの逆恨み」
(下劣なものは、好意ある忠告・助言に対し、
感謝するどころか、かえって恨みを抱くこと)
などがあります。
「ゲスい」は新しい言葉だ
と思っていたのですが、
古くからある言葉のようで、
日本国語大辞典精選版にも掲載されており、
「卑しい」「品性下劣なこと」。
「アイツはゲスい」「ゲスい男」
といった使い方をします。
関西方面の芸人さんが、この言葉をよく使っている
という印象があります。
下種は「げしゅ」とも読む場合があります。
これは仏教用語で、仏・菩薩が衆生に成仏、得道の
種子(しゅうじ)を下ろすこと。信仰の種を衆生に
植え付けること。仏法にはじめて触れる=結縁(けちえん)
する段階をいうそう。主に天台宗で使われるとのこと。
年明けから、
「ゲス」という言葉が飛び交う日本。
2016年は、なんだか気分が良くない年に
なりそうで気分がめいります。
コメント