知合いから聞いた話です。
「物は言いよう、ハサミは使いよう」。
言い方ひとつで、相手を怒らせたり、
逆に喜ばせたりする。
特に介護の現場では、身内、親しい者が
世話することが多いだけに、遠慮会釈ない
きつい言葉、言い方が飛び交いがち。
それで、大きなストレスがたまり、
時には事件を起こしたりすることも。
けれど、ちょっとした気遣い、言葉の使い方で、
ストレスがたまるどころか、介護の苦労も
軽くなると。
例えば、娘が介護する母親に、
冷めてしまったご飯を出してしまったとする。
母親が、
「何よ、こんな冷たいご飯を出して」
と文句を言い立てると、出した娘の方も、
「そうしたくて、そうした訳じゃない。
ちょっとくらいいいじゃない.我慢しなさいよ」
とけんか腰に受けてしまう。
この言い方をちょっと変えてみる。
例えば、お母さんは、
「美味しかった。いつもありがとう。
惜しいなー、もうちょっと熱かったら最高だった」
とにっこり笑って言ってみる。
そうすると、娘も、
「ごめんね。洗濯してたから遅く
なっちゃって、冷えちゃったね。
次からは早めに出すね」
と受けられる。
魔法の言葉は、
「ありがとう」という感謝の言葉。
不満を直接に伝えない「惜しいなー」だそう。
この二つの言葉がすべての関係、場面で
通じるとは、正直、断定できませんが、
ほんのわずかな言葉づかいを変えるだけで、
双方の意識、気持ちが変わるというのは、頷けます。
介護に限らず、あらゆる人間関係に
通じる話ではないかと感じました。
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