アメリカ、ニュージャージー州ホーボーケン駅で電車が駅舎に衝突し100人余りが負傷。ホーボーケンの思い出。

アメリカのニュージャージー州の
ホーボーケン駅で、2016年9月29日の朝に、
ニュージャージー・トランジット鉄道の列車が、
駅舎に激突しました。

この事故（事件の可能性もあるが……）で、
100人以上が負傷したようです。
また死者も出ているとのこと。

テロ、運転士が運転操作を誤った、
運転士の体調不良など、様々な原因が
伝えられているようです。

ホーボーケンは、ニューヨークの
マンハッタン島とハドソン川を隔てた向い。
この駅対岸を結ぶ鉄道が乗り入れているターミナル駅です。

1907（もしくは8）年に建設されたとされ、
国の史跡に指定されています。

以前、訪れた時は、趣はあるが古い
という印象でしたが、現在は、大規模な改修が
行われているようです。

残念ながら、鉄道の信号システムは
古いものを使っており、2011年にも
列車が車輪止めで止まらず、乗り越えてしまい、
30人余りが負傷する事故が起きています。

このホーボーケン駅を、
何度か訪れたことがあります。

ニュージャージー州には、
ニューヨークにアクセスするのに便利な
ニューアーク・リバティー空港があり、
ユナイテッド航空（以前は合併したコンチネンタル航空）の
ハブだったため、乗り継ぎ便などの場合、
こちらの空港を利用することがありました。

マンハッタン島はホテルの値段が非常に高い。
一方、ハドソン川を隔てたこちらは、交通の便が
よいにも関わらず、かなりお値打ちで、
ホーボーケンのホテルを使ってたことがありました。

ほかにホーボーケンを訪問の理由は、
この町で生まれた歌手フランク・シナトラの
ゆかりの場所（生家）などを回るため。

フランク・シナトラは、2015年、生誕100年。
このホーボーケンでそれを祝う
記念イベントが開かれています。

さてホーボーケン駅近くのワシントン・ストリートには、
オシャレなカフェや雑貨店のほか、古いけれど、
落ち着いたきれいな住宅が並んでいます。

マンハッタンがどこか気ぜわしいのに比べ、
街も人ものんびりとした感じがしました。

こちらの街は、先住民族がいましたが、
1630年にオランダ人が入植したのを皮切りに、
以後、ドイツ、アイルランドなどからの
大量の移民を迎えています。

どこかヨーロッパ的な雰囲気は
そのせいかもしれません。

港として栄えたので、横浜や神戸のように、
アメリカで初という発祥の地がいくつも残っています。

その一つが、エリシアン球場跡。
こちらでは、1846年に現代野球の原型が
初めて開催されたと言われています。

ワシントン・ストリートにその旨を記した銘板、
そして、ホームベース、一塁などを模したものが
歩道に埋め込まれています。

またアメリカで初のビールが
醸造された場所でもあります。

さてフランク・シナトラゆかりの場所ですが
いくつもあります。

生まれてから12歳まで暮らしたアパートは、
取り壊されてありませんが、
その後、19歳までいた2軒の家は健在。

生家の近くにはフランク・シナトラ博物館があります。

ハドソン川沿いの道路は、
フランク・シナトラ・ドライブという名前。
川沿いの公園はフランク・シナトラ公園。

こちらから、ハドソン川の向こうの摩天楼の景色は格別です。
（シナトラ生誕100年の記念イベントが開かれた
スティーブンス工科大学のキャンパスからのマンハッタンの眺めは最高）

フランク・シナトラ生誕100周年記念盤

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〇2012年、BS朝日の放送で、
ジャズ歌手の綾戸智恵さんが、
フランク・シナトラの足跡をたどった。
http://www.bs-asahi.co.jp/maidony/

〇ホーボーケンという名前の由来は諸説ある。
この地の先住民族レナペ族の言葉で「タバコのパイプの土地」
という意味の「ホポガン・ハッキング」(Hopoghan Hackingh)が
訛ったとの説。

ベルギーの「ホーゲ・ブーヘン」(Hooghe Buechen)
から名付けられたとの説。なおこの言葉の意味は「高いブナ」。

オランダのロッテルダムで地主ヴァン・ホボーケン
(Van Hoboken)一家にちなみ名付けられたとの説。

〇なおベルギー北部のアントウェルペン州の
ホーボーケンは、日本人なら誰でもが知る
「フランダースの犬」の主人公ネロ少年が
生まれた土地とされ、銅像がたっている。

死者、そして多くの負傷者が出た事故で、
こうした昔の思い出が蘇ったのは残念。

これ以上、被害が広がらないことを祈ります。