俳優・歌手の梅沢富美男さんが、
毎日新聞の「私だけの東京」に登場しています。
毎日新聞、2016年11月9日、東京夕刊
《私だけの東京・2020に語り継ぐ
俳優・梅沢富美男さん 大衆の感覚、学んだ浅草》
http://mainichi.jp/articles/20161109/dde/012/040/005000c
その中で、梅沢さんがあげた次の言葉を
懐かしく思いました。
《芝居のせりふにも教えがあります。「花の司(つかさ)の
牡丹(ぼたん)でさえも 冬は菰(こも)着て 春を待つ」。
易しく言うなら、あんなに素晴らしい花を咲かせるボタンの木も
冬には枯れ、みすぼらしいむしろをまとって春の訪れをじっと待っている。
辛抱して精進すれば、いつか良い日が来るという意味です。》
懐かしく思ったのは、
これと似たような言葉を
祖母などから聞いた覚えがあるからです。
「富貴でも季節の菰を着るボタン」。
牡丹の別名は富貴草。
上は、富貴=お金持ち=牡丹でも、
冬の時期は、じっと寒さに耐え、
貧乏な人(乞食・ものごい)のように、
菰をつけてジッと耐えている。
そこから、あの晴れやかな牡丹でもそうして
耐えているのだから、じっと困苦に耐えなさい。
そして時期の来るのを待ちなさい。
耐えて待てば、花を咲かせる=成功するという意味です。
また小学校の頃、図書室で読んだ本の中で、
タイトルは忘れたのですが、少女が牡丹の花を育てる
という内容のものがありました。
その本でも、冬の間、みすぼらしい姿で
寒さに耐える姿、育てる苦労、そして
素晴しい花を咲かせる場面までが
書かれていた記憶があります。
それを読んで、育てたいと思ったのですが、
葉ボタンは栽培したものの、花の方は、
いまだ実現していません。
大きくなって「津軽じょんがら節」と出合いました。
その歌詞の中にも、牡丹のコトワザがありました。
《アイヤ咲いて一なる 牡丹でさえも
冬は菰着て ソレモヨイヤ 寒しのぐ》
その時、今日と同じく、
昔のことを思い出したことでした。
桜が終わった4月末ころだったでしょうか。
咲き誇った花を見ていると、
華やかさに目を奪われました。
その時、ふと昔の言葉、本のことを思い出したのです。
「冬の苦しさを忘れてはいけない」
こちらには冬に咲く「冬ぼたん」もあります。
春の前に、年が明けたら
久しぶりに冬ぼたんを見に行きたいですね。
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