ゴッホの名画「ひまわり」を返してと元所有者遺族が、SOMPOを訴える。ナチスから守るために売却。略奪美術品問題。

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ニュースな言葉

ゴッホの「ひまわり」を返してと元所有者の遺族が訴え

SOMPOホールディングスが持っているゴッホの絵画「ひまわり」。
それを返して欲しいと元所有者の遺族が返還などを求めて、同社を被告として、
アメリカのイリノイ州の裁判所に提訴したそうです。
遺族側の主張はこうです。ナチスにより、1934年に「ひまわり」は強制的に売却させられた。
このSOMPOが持つ「ひまわり」は、その前身の1社である安田火災海上保険が、
1987年、絵画の所有歴といった出所を無視して購入。商業的な利益などを
不当に得ていたとして、返還とともに7億5000万ドル(およそ1000億円)の
損害賠償も求めているとのことです。
SOMPO側は、所有権を主張する考えです。

バブルの頃、当時最高の落札額だった「ひまわり」

この「ひまわり」は、バブルの頃、ロンドンで行われた競売で、およそ58億円で、
落札されました。当時、絵画史上最高の落札額でした。この頃、日本経済は絶頂で、
こうした名画に限らず、アメリカのロックフェラーセンタービルなど不動産を買うなど
していました。(大昭和製紙の名誉会長がゴッホの名画「医師ガシェの肖像」購入。
「死んだら棺桶にいれて焼いてくれ」と発言し、国内外のひんしゅくを買った)
この「ひまわり」は話題となり、西新宿の「SOMPO美術館」で公開されましたが、
この名画目当てに多くの人を引き寄せました。自分も鑑賞に行きました。
意外に小さくて驚いたのと同時に、ゴッホは「ひまわり」をモチーフに同じような作品を
何枚も描いていた事を知り、拍子抜けしました。

ナチスによる名画、財宝の略奪。映画「黄金のアデーレ」

ユダヤ人などを強制収容所に収容し虐殺したナチス。そうした人々が持っていた財産を強制的に
没収し、取り上げ、国のものとしたり、売却したことは有名な話です。
今回のように元所有者の遺族が所有者を訴え、返還を求める動きはずっと続いています。
数多くの書籍、そして映画にもなりました。
最近の映画だと「黄金のアデーレ 名画の帰還」が知られています。
これは、ナチスに奪われたクリムトが描いた伯母の肖像画
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」(通称:「黄金のアデーレ」)」の
返還を求め、オーストリア政府を訴えた女性の物語です。

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ナチスによる略奪美術品。返還の動き。「ワシントン原則」

こうしたナチスにより略奪された美術品は、略奪美術品と言われ、
現在、なお特定し、所有者遺族に返還する動きが出ています。
例えば、フランスは、2022年に略奪美術品の返還を議会で決定。
クリムト、シャガールの作品15点を所有者遺族に返還しました。
このナチスによる略奪美術品に関しては、1998年にフランス、スイスなど
44の政府・組織が「ワシントン原則」に合意しました。この原則は、
国などの所蔵品の出所を確認すること。ナチスに略奪された美術品を
見つけ出した場合、ユダヤ人である元所有者の相続人と協議し、
「公正で公平な解決」を見出すことが目的です。
この原則は法的拘束力をもたないため、強力ではないのですが、
それでも一定の効果をあげ、徐々にですが、遺族のもとに返還されています。

略奪美術品は60万点。行方不明は10万点。

しかし1933年から45年にかけて、ナチスがヨーロッパで略奪した絵画、彫刻などの
美術品はおよそ60万点にものぼると言われており、その中の10万点以上は、
行方不明という状態です。いかに激しくナチスが略奪したか、そしてそれがなかなか
是正されていないことがわかります。
画家志望だったヒトラー。彼がなぜこうした絵画などの美術品の略奪を行ったのか。
それに迫ったドキュメンタリーが、2018年に公開されたドキュメンタリー
「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」です。
ヒトラーは18歳の時、ウィーンにある造形美術アカデミーを受験。しかし不合格に。
彼が以来、ずっとウィーン、美術にコンプレックスを抱いていた……。
興味深いドキュメンタリーでした。

実話をジョージ・クルーニーが映画化「ミケランジェロ・プロジェクト」

本『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作にした、
ジョージ・クルーニー監督の「ミケランジェロ・プロジェクト」。
実話ですが、最後のどんでん返しなど、エンターテイメントとしても面白かったですね。

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大英博物館、パルテノン神殿の彫刻の返還協議をギリシャと。略奪文化財返還問題

ナチスの略奪美術品とはまた別ですが、イギリス、フランスなどが植民地を統治していた時代に、
植民地から美術品、文化財などを自国に持ち帰るということを行っています。その植民地時代の
美術品の返還を求める動きが盛んです。
その一つが、大英博物館に所蔵されているパルテノン神殿の彫刻「エルギン・マーブル」。
これは、イギリスの外交官であった第7代エルギン伯爵トマス・ブルースが、オスマン
帝国駐在の特命全権大使として赴任した際に、当時オスマン帝国領だったギリシャの
パルテノン神殿の調査を実施。当時のスルタン・セリム3世から許可を得て、彫刻を
切り取り、イギリスに持ち帰りました。現在は大英博物館に所蔵、展示されています。
イギリスのガーディアン紙がイギリス政府がギリシャ政府とこの返還協議を始めると報道。
イギリスは一部を貸し出しの形での返還を希望。ギリシャは完全返還を求めています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b7/Elgin_Marbles_east_pediment.jpg/1024px-Elgin_Marbles_east_pediment.jpg

このほか、大英博物館は、ロゼッタストーン、イースター島のモアイ像など多数の文化財、
美術品を所蔵しており、返還を求められています。
なおパルテノン神殿の彫刻については、去年12月バチカン美術館が返還を決めています。
ローマ教皇がギリシャ正教会大主教に寄付する形をとるとのことです。

NHK BS1で「パンドラの箱”が開くとき 文化財返還 ヨーロッパの最前線」放送

今年の1月3日に、NHK BS1で「“パンドラの箱”が開くとき 文化財返還 ヨーロッパの最前線」
が放送されました。(8日午前8時50分から再放送予定)
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/Q24V4RMQ3N/

プロフィール
この記事を書いた人

35年以上にわたり、放送(TV、ラジオ)業界、イベント制作に携わる。
30年余り、放送関係の専門学校講師を勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に関するHPの制作、コンサルタントも、
行う。新聞は小学4年生から読み始め、多い時には13紙を愛読。現在は朝、毎、読、日経、日経流通、日経産業、産経、東京、日刊スポーツの
9紙を購読。取引先、図書館で地方紙、専門紙、雑誌もチェックする。
ブログ「トクダス」
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ブログ「人生やり残しリスト」
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