2017年2月16日の夕食に、
母が作った菜花のおひたしが
テーブルに載っていました。
一足早く、食事を済ませた母が、
私がそれに箸をのばす前に、
「なんだか菜花の苦みが少なくて、
菜花という感じがしない」とぼやきます。
母も年をとったので、
味覚が以前に比べて衰えているからなー
と思いつつ、口に入れました。
減塩生活を送っているため塩味は控えめ。
ゆでて甘みが出ているのはこれまで通り。
けれど苦みがほとんどありません。
母の言う通りです。
どうしたんでしょうか。
そういえば以前、農家の人何人かに、
いまどきは消費者の人が、
酸味と苦みがある品種は、
受け入れてくれないと嘆いていたのを
思い出しました。
野菜でも果物でも同じ、
出来るだけ酸味と苦みを減らし、
かわりに甘みを増やす。
なので甘みだけが強調された味になっています。
ほうれん草好きの年配の知合いは、
あくが少なくなったのはいいけれど、
それに伴って、味自体も薄くなっている、
どれもこれも均一な味になって
と少し怒っていました。
知合いの料理人や栄養士さんに言わせると、
春先の葉物などに含まれる苦みが、
体を刺激し、冬の間、体にたまった毒素の
排出を促してくれるのだそう。
なので苦いということは、とても重要なのだとか。
また味覚というのは、甘みからスタート。
そこから旨み、酸味、苦みを覚えていくとのこと。
甘みばかりに頼ると、いつまでも幼児の
味覚止まりになり、微妙な味を、
味わい分けられないとも。
われわれの舌は幼稚に
なっているのかもしれませんね。
「昔の品種の菜花が食べたい。
どこか売っているところはないかねー」
そうつぶやく母。
房総のどこかに残ってないかなー。
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