「頭と尻尾はくれてやれ」。
この言い回しをご存じでしょうか?
これは株式相場にまつわる格言なんだそう。
頭とは、相場の天井(高値)。
尻尾とは、相場の底(安値)。
最も儲かるのは、底で買って天井で売ること。
しかしそううまくはいきません。
底値より高く買って、天井より下がって売って、
儲けを逃がしがち。
しかし骨の髄までしゃぶるようなことをせず、
すべて、100%儲けようとせず、多少儲けを逃しても、
ほどほどの儲けで満足すべき。
それがかえって長く取引をできることになる
という意味のようです。
以前にも何度か、近所に住んでいた
株の達人のおじいさんの話を書きました。
その人は、私の祖父の同級生。
祖父が早くになくなった一方、
その方にはお子さんがいらっしゃらなかったので、
自分の孫のように可愛がってくれました。
株式に関すること、人生に関する知恵などを
いろいろと教えてもらいました。
その一つが、上にかかげた
「頭と尻尾はくれてやれ」です。
頭と尻尾は近所の野良猫にでもやるつもりでいろと。
目一杯儲けようとするなと。
これは、株式だけでなく、
商売でもまた人間関係でもそう。
自分の方だけが100%よくて、
譲歩せず勝利というのは、
その時はよくても長い目で見ると、
憾まれたり、仕返しをされたりするもの。
100%と思っていても少し譲ってあげると、
相手は感謝する。またそれを引け目に
感じてくれる。
それが金銭だけでは、はかれない価値だと。
なぜか2017年7月、梅雨の夜に、
この株の達人の教えを思い出したのでした。
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