「ぞうきんになれ」。京都の仏教系の洛南高校の教え。久しぶりに聞く。

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「雑巾(ぞうきん)の教え」「社会の雑巾になれ」とは

先日、取引先で初めてあった若者が、
「ぞうきんの教え」について話してくれました。

あなたはご存じですか?

すかさず、こちらが、
「もしかして京都の洛南中学・高校の出身」
と聞いたら、まさにその通りでした。

そういえば、2016 年 3 月 17 日、
日経新聞の「交遊抄」に、衆議院議員の山井和則さんが、
洛南高校で3年間担任だった虎頭祐正先生から、
毎日のように言われていた言葉を紹介していました。

それがまさに「ぞうきんになれ」。
もう少し詳しく書くと、
「社会のぞうきんになって社会をきれいにしなさい」
というもの。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO98502890W6A310C1BC8000/

山井和則氏のプロフィールにも書かれています。
《三浦俊良学校長(当時)から
「社会の雑巾(ぞうきん)になれ」と教えを受ける。》
http://yamanoi.net/about

この「ぞうきんの教え」については、
ずいぶん前に誰かから聞いたことがあるのですが、
はっきりと覚えているのは、予備校に通っている時に、
知り合った洛南高校出身の友達から。
(ちなみにこちらの学校は、
弘法大師が開いた綜芸種智院がルーツ)

自らは、真っ黒になって
ボロボロになって、汚れを取り除く。
仏教の捨身、慈悲の精神がまさにぞうきんだと。

雑巾。これから汚れを取り、自らは汚れる。

青木理事長
《人のために自分がぞうきんになるという心を育てていきたい。
編集 ぞうきんですか?
青木理事長 社会のぞうきんになろうということですね。
本校の卒業生は『ぞうきんの心』と言うんですけども。
自分が汚れても世の中をきれいにしていこうという気持ちですね。》
《洛南高等学校附属中学校》
http://www.cocorocom.com/labo/interview/aoki.php?id=2

河野進さんの詩「ぞうきん」、仏教詩人・榎本栄一さんの「ぞうきんの詩」

ベストセラーになった渡辺和子さんの
「置かれた場所で咲きなさい」の中に、
紹介された「ぞうきん」という詩も。

こちらは、キリスト教の牧師の河野進さんの作品。

《こまった時に思い出され
用がすめば すぐ忘れられる
ぞうきん》だけれど、最後は、
「ぞうきんになりたい」と言っておわります。

BAKU(バク)という
解散したバンドの代表曲に「ぞうきん」というのがあったなー。

YouTube
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山井和則さん
《「ぞうきんの詩」 追記 (2016年3月25日)
2016 年 3 月 25 日》
http://yamanoi.net/archives/post_8024.html

仏教詩人・榎本栄一さんの「ぞうきんの詩」には、
続きがあるとの虎頭先生の言葉を紹介しています。

《ぞうきんは 他のよごれを いっしょうけんめい拭いて 
自分はよごれにまみれている》

最後の一文は、
《「自分は、ぞうきんになれていない」》。

ぞうきんになりたい。
ぞうきんになれていない。

ぞうきん哲学。
奥が深いですね。

仏教の世界で重視される掃除。雑巾で拭くもそうですが、ほうきで掃くも大切です。
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作家幸田文が父・幸田露伴から教わった雑巾がけ、掃除の仕方

父から掃除の仕方を厳しく教わった幸田文。なかでも雑巾による掃除は、バケツに汲む水の量、
雑巾のすすぎ方、絞り方、拭き方にいたるまで細かくしつけられたようです。

森脇健児さんも教わっていた「ぞうきんの教え」

芸人の森脇健児さんも洛南高校の出身なんですね。在学中は陸上部に所属。
「雑巾の教え」について語っていらっしゃいます。

《2022.07.29【陸上物語FILE 17 森脇健児】
ホンマに!?40年前の洛南高校陸上部の話》

ーーまさに今の森脇健児さんを作った場所ともいうべきですか?

原点ですよね。未だにたまに思い出しますもんね、「雑巾になれ」っていう言葉。
高校の時は何のことか分かりませんでしたが。

ーー中島道雄先生(元・洛南高校陸上部監督)のあのお言葉?

「社会の雑巾になれ」と教えて頂いて。自分を汚して、周りを綺麗にして…つまり、
「自分を犠牲にしてでも、社会のために生きなさい」ということですね。
「自己中心的ではダメだ」ということ。「自分だけ良くなってもいけない、
 謙虚になれ」ということでしょうね。

https://grows-rtv.jp/contents/article/4895

ダスキン株式会社。創業者は社名を「ぞうきん」にしたかった。

掃除用品のレンタルなどで知られるダスキン。こちらの創業者は、社名をサニクリーンから
変更する時に、「ぞうきん」にしたかったとか。(2023年創業60周年とか)

創業者の鈴木清一は、本当は“株式会社ぞうきん”にしたかったそうです。
当時の幹部の方から“ぞうきん”にすると恥ずかしくて言えないという意見があり、英語でほこりの「ダスト」、とぞうきんの「キン」をとって「ダスキン」となりました。

https://www.duskin.co.jp/ir/investor/understanding/

なぜ社名を「ぞうきん」にしたかったのか。

ぞうきんは使えば使うほど拭いたところはキレイになりますが、ぞうきん自体はどんどん汚れていきます。新しく船出したこの会社も自らが汚れても世の中をキレイにしていきたいという思いから、鈴木清一は「株式会社ぞうきん」にしようと計画します。

https://www.duskin.co.jp/yorotane-hiroba/case32.html

創業者の鈴木氏は、《就職後、肋膜を患い養母の愛情に救われた影響から金光教に入信。1938年、一燈園に身を投じ托鉢求道の生活に入る。1944年、ダスキンの前身であるケントク創立。以後「道と経済の合一」を願う祈りの経営を生涯追求。》したのですね。
https://www.duskin.co.jp/company/founder/

三浦俊良先生の教え、挨拶、「社会の雑巾」、「損の道」

上にも出ていますが、「社会の雑巾になれ」との教えを生徒、職員に説いたのは、
東寺塔頭寶菩提院住職、洛南高校校長だった三浦俊良さん。
(亡くなるまで、西京極幼稚園の園長を勤められました)

洛南高校の前身・東寺高校が荒れた時、建て直すために始めたのが、挨拶。
毎朝、校門にたち、皆に「おはよう」と呼びかけ続け、それが一つの
きっかけとなり、学校が変わっていったそうです。

「社会の雑巾になりなさい」の教えには後ろがあり、それは
「損と得があるとすれば、損の道を歩みなさい。」と言うもの。

損より得が一般的な人のあり方ですが、そうではなく、得より損を選ぶ。
簡単と困難では、困難な道を選ぶ。
そうした考えをずっと説き続けたとのことです。


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niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
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