「鑿(のみ)と言えば槌(つち)」。気働き。「一を聞いて十を知る」。

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あなたは、
「鑿(のみ)と言えば槌(つち)」(もしくは「鑿と言わば槌」)
という言い回しをお聞きになったことがありますか?

これは、「鑿を持ってこい」と言われれば、
それを使うのに必要な槌も、一緒に持ってくる
ということで、気が利くこと、気を利かせることの
例えとして使われます。

先日、電車に乗っていた際、隣に座った
年配のご夫人2人が、それぞれのお嫁さんに
ついて語っていました。

その中で、一人が「『鑿と言えば槌』と言うけれど、
うちの嫁ときたら……」と愚痴をこぼしていました。

久しぶりに聞いた表現で、とても懐かしくなりました。

自分や、すぐ上の姉は、今になって思えば、
気が利かない子どもで、何か用を言いつけられたら、
それをするのが精一杯。
とてもじゃないけれど、それ以上に気を回すことが出来ず、
二人とも祖母や父からよく、
「『鑿と言えば槌』にはほど遠い」と言われていました。

何かを言いつけられたら、それを押しつけられたと思い、
いやいややっているから、それだけやったらいいんだろう
という発想になり、実際、それだけしかやらない。

けれど、何か相手の役に立とうと思う人は、
自分ではなく、言った相手の立場に立って
ものを考える。

なので、何をするのか、何が目的かを考え、
それに必要なことをしようと考える。
言っていること以外に必要なものをくみとるのだと。

この表現以外にも、「気働きをしなさい」。
「一を聞いて十を知る」までいかなくていい、
けれど、「一と言うたら二と悟れ」などとも。

大人になっても、
出来てないことだらけで、
恥ずかしい限りです。

〇鑿(のみ)で思い出したのが「左党」という言葉。
酒飲みという意味ですが、「酒杯」は左手に持つところから
こう呼ばれたとも、金鉱山で、左を鑿(のみ)手、右を鎚(つち)手
と言ったところからとも。すなわち左手=「鑿手」=「飲み手」。

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