放送作家、作詞家、エッセイスト、
ラジオパーソナリティなど
数多くの肩書きを持ち、放送の世界で活躍された
永六輔さんが亡くなられました。
テレビ、ラジオに、出演されているのを、
見たり聞いたりするだけでなく、
ご実家のお寺(最尊寺)で行われていた
会を聞きに行ったり、東京の映画館や、
地方などで、何度もお目にかかったことがあります。
たくさん書かれた本も読んでいます。
なので、テレビ、ラジオからなのか、
ご本からなのか、それとも直接ご本人からなのか、
その経路は定かではないのですが、ともかく
世の中の面白い話、不思議な話、ためになる話を、
永さんから、いくつも知る事ができました。
永さんは、師である民俗学者の宮本常一さんに
言われたことを、実践していると
常々おっしゃっていました。
「ラジオは電波だ。電波はどこにでも飛んでいく。
だからきみもどこへでも飛んで行って、
スタジオでなく、電波が届いた先がどうなっているのかを
見聞きしなさい。話を聞きなさい。そして、それを持って
帰ってスタジオで話しなさい。」
ベストセラーになった本の中には、
そうした旅で得た多くの人々の言葉を
集めたものがいくつもありました。
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その影響だと思いますが、
自分も地方に出かけては、
特に高齢者の話を聞くように心がけていました。
ガイドブックや本には出ていない、
その地方の歴史や考え方、知恵などを
いくつも教わりました。
(佐渡島の人里離れたある集落、そして、
新潟と山形の県境にある山中の村を訪れた時、
そこにも永さんが何度も来たことがあるとわかりビックリ)
もうずいぶん前になりますが、
銀座の映画館で
お見かけしたことがあります。
残念ながら映画のタイトルを
忘れてしまったのですが、
とてもいい映画でした。
見終わった後、映画館を出たところで、
やはりその映画をご覧になった永さんと
一緒になりました。
こちらが、「いい映画でした」
と声をかけると、にっこり笑って、
「いい映画を見ると、顔でわかるね」
と言葉を返してくれました。
作務衣(?)にずだ袋を下げて、
銀座4丁目方向に、さっそうと
去って行った姿を、
昨日のことのように覚えています。
ご冥福をお祈りします。
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