日本テレビで「ゼロイチ」という番組を
放送しています。
芸能人が、ゼロからなにかモノを作るという番組です。
簡単なマニュアルと材料を与えられた芸能人が、
すべて自分で作業して、作り上げていきます。
2015年5月8日の放送では、ジェットコースター、
オープンカー、天体望遠鏡などを作っていました。
バラエティ番組なので、基本的には「笑い」が基本で、
感動、感心するという要素は薄いのですが、
いろいろと考えさせられました。
現在は、様々な製造業が発達していて、
自分や家でそれこそゼロから何かを
作らなくても、完成品を買ってくるだけですみます。
経済的には、手作りするより、
そうした既製品を買ってきた方が、
安上がりで、時間もかからず、もしかしたら、
質や性能自体もいいのかもしれません。
けれど自分が子どもの頃は、そうではありませんでした。
例えば、服。
もちろん既製品もありましたが、
母親が、型紙をもとに、手縫いやミシンで作ったり、
編み機で編んだりしていました。
(近所の洋服店で仕立ててもらことも)
毎日の食事やおやつもそう。
味噌汁、コロッケ、きんぴらごぼう、
蒸しパン、プリンなどなど、母親手作りの
その家ならではの味の食べ物が食卓に並びました。
けれどいつ頃からか、手作りはどんどんなくなっていき、
外からあるものを買ってくるということになっていきました。
今でももちろん家で、作っているものはありますが、
その割合は大きく減っているのではないでしょうか。
便利で簡単で味や性能もよい既製品。
けれどそうしたモノを利用することで、
失ったものは、たくさんあるのではと感じました。
ずいぶん前に、海水から塩を
わずかですが、作ったことがあります。
手のひらの上に軽く載るぐらいの量の塩を作るのに、
どれくらいの労力と時間がかかったことか。
それを知った時、いままで無造作に扱っていた塩を、
ほんの少しでも無駄には出来ないという意識が強くなりました。
昔、教えてもらった「ホモ・ファーベル」と言う言葉があります。
これは、フランスの哲学者 H.ベルグソンの言葉です。
ベルグソンは、人間の本質は、物をつくり、自分を形成する
創造活動であると唱え、
人を「ホモ・ファーベル(Homo feber)」と規定しました。
今、モノを作る創造の喜びに、
価値を見いだす人が増えてきているようです。
自分も出来るだけ、日常生活の中で、
物作りの時間を増やしたいと思いました。
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