現役最高齢の歌舞伎俳優・中村小山三さん(なかむら・こさんざ)さんが
2015年4月6日、亡くなられました。
四歳で三代目中村米吉(後の十七代目中村勘三郎)に弟子入り。
以来、なんと90年間の長きにわたり、
十七代、十八代、そして現在の中村勘九郎、七之助兄弟の
「中村屋」を支えてきました。
歌舞伎の舞台をご覧になったことがない方でも、
フジテレビでの中村屋の番組に登場して、
兄弟、また十八代目が幼いときから
ずっと演技指導したり、世話を焼く
小山三さんの姿を見たという方は多いのではないかと思います。
フジテレビ
《密着!中村屋ファミリー 大奮闘2014》
http://www.fujitv.co.jp/nakamuraya/story.html
《「ザ・ノンフィクション」
– 今がサイコー!94歳の歌舞伎役者・中村小山三(仮) -》
http://tvtopic.goo.ne.jp/program/info/797144/index.html
2014年の秋には、フジテレビで、
中村小山三さんを特集する
ドキュメンタリー番組がありました。
生い立ち、入門、これまで中村屋に使えてきた様子、
そして94歳のマンションでの1人暮らしの日々などが
紹介されていました。
歌舞伎界の出ではないので、主役にはなれない。
そこで頭を切り換えて、脇役に徹する。
芝居の事ならなんでも覚え、何か聞かれたら、
答えられるようにする。
そうした積み重ねで、十七代目勘三郎には
「俺が死んだときは小山三を棺桶に入れてくれ」、
十八代目中村勘三郎からは、
「家宝」とまで言われるようになったのです。
登場するだけで、声がとび、拍手がわく役者。
脇役では珍しいことです。
舞台に出ると、芝居がしまりました。
小山三さんの携帯ストラップもあるほどの人気。
気さくな人柄で、サインや写真撮影など気軽に応じてくれました。
歌舞伎座の楽屋口で出待ちの人とお話したり、写真をとったり、
サインをしたりする小山三さんの姿を何度も拝見しました。
番組のタイトルにもなっていますが、
「今がサイコー」と言っていらしていたのが
思い出されます。
今頃は、先代、先々代の勘三郎さんと
大好きな歌舞伎の話をしているのではないかと思います。
長い間、本当におつかれでございました。
素晴らしい舞台を見せていただいた感謝とともに、
心より哀悼の意を表します。
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