トルストイ「人にはどれほどの土地がいるか」。豊臣秀吉「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」。

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小さい時によく見た夢の1つ。

次のようなものです。

きれいな水が流れる小川。
よーく眺めてみると川底には無数の小銭が。
それをいくらでも取り放題なんですね。
取った分だけ自分のものになるが、
自分の力で運べる分だけです。

必死になって水底の小銭を拾い集める自分。
川のそばに小銭をあげていって、やがて山のように積みあがる。

川から上がって、さあこれを運ぼうと思って、
持ち上げようとするが運ぶものが何もないことに気付きます。

服を脱いでそこに入れようとするのですが
入れすぎて服は破れこぼれ、金は落ちてしまう。

近くに袋や箱などがないかと探すもなし。

そのうち、日も暮れて、暗くなってきて、
運べるだけ運ぼうと、手ですくいとったあたりで、
目がさめるという内容でした。

そしてもう一つよく見た夢。
それは、自分が走り回って「しるし」を
つけた土地がすべて自分の物になるというもの。

おそらくこちらの夢は、
2つの出来事に影響を受けたものだと思います。

まず1つめは内藤新宿の逸話に由来します。

内藤新宿は、江戸時代、甲州街道の最初の宿駅で、
品川、千住、板橋とともに江戸四宿の一つです。
1698(元禄11)年、高遠城主内藤家の
下屋敷北側に開設されました。
四谷大木戸から角筈(つのはず)村までの地を指し、
青梅街道との分岐点ともなっています。

日本橋から甲府にいたる甲州街道。
当初、日本橋から次の宿場は高井戸でした。

けれど距離が離れているため不便。
そこで2つの中間である内藤に宿場ができたのです。

この宿場の敷地は、内藤氏の屋敷地の一部を
幕府に返上したものです。
内藤氏の屋敷地に新しい宿ができたので、
内藤新宿と呼ばれました。

内藤氏は、
もともと徳川家康の譜代の家臣、内藤清成が祖。

家康から、四谷、代々木、千駄ヶ谷、
大久保に囲まれた領地を授かり屋敷地にしました。

内藤氏の7代清枚は元禄4年(1691)に三万三千石の
信州高遠城主となりますが、内藤家の江戸の屋敷地は
石高に比べてあまりにも多すぎたため、多くの部分を
幕府に返上しました。その一部が新しい宿場となったのです。

新宿御苑、《施設及び歴史的背景》
https://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/1_intro/history.html

前置きが長くなりました。

さてその内藤氏の領地ですが、
天正18年(1590)に、豊臣秀吉から
関八州を与えられた徳川家康が、
江戸城に入城した際に、
譜代の家臣であった内藤清成に授けたものです。

この時、逸話として、家康は、内藤清成に
1日、馬を走らせて回れるだけの範囲の領地を授ける
と言って、与えたものだとされています。

《新宿御苑の歴史(1)》
http://fng.or.jp/shinjuku/place/history-01.html

この話を誰かから聞いた、
もしくは本で読んだところから、
上のような夢を見たのだと思います。

そしてもう一つは、トルストイの
「人にはどれほどの土地がいるか」を
読んだ影響からです。

2015年12月20日、朝日新聞の
《思い出す本忘れない本》に
アナウンサーの赤江珠緒が登場。

赤江さんは、その
《人にはどれほどの土地がいるか》を
あげて、話されています。

どんな内容なのでしょうか。

《働き者だけど自分の土地を持たなかった農民が、
悪魔との取引と知らずに「歩ける限りの土地をくれる」
という言葉に乗せられ、歩いて歩いて、倒れて死んでしまう。
結局、人には最後に自分の体を埋める土地さえあればいい》

そんなあらすじです。
赤江さんは感想を次のように述べられています。

《短い話だけど、タイトルと終わり方にガーン!と来ました。
でも、そう言われれば人間、最終的に、必要なものは
そんなにないなと子どもながらに思って、いまも自分の
根本のところにあるような気がします。》

自分も赤江さんと同じく、
小学校の低学年の頃に読んで、
同様な感想を持ちました。

さらに祖母や母から繰り返し聞かされた
次の言葉もその思いを強くさせました。

それは豊臣秀吉(または織田信長)が言ったとされる
「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」
という言葉です。

天下をとっても最後に必要なものはそんなに多くない。
なにか世の無常、虚しさを感じたものです。
(小学校の頃は無常などという言葉は思いつかなかったが……)

ただ祖母は、
「天下を取ってからそう言え」
と話の最後に必ず付け加えていましたが……。

赤江さんの記事で、久しぶりに
トルストイの民話集が読みたくなりました。
以前にも別のブログで同じ話題を書いています。
《人生やり残しリスト》
トルストイの民話「人にはどれほどの土地がいるか」。「起きて半畳、寝て一畳」。

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
ブログ「トクダス」
https://nikitoki.blog.ss-blog.jp/
ブログ「人生やり残しリスト」
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