年賀状、「新年、明けましておめでとうございます」との表現が多数届く
1月1日に届いた年賀状、そしてLINEメッセージ。そ
の中の多くに書かれていた表現が、
「新年、明けましておめでとうございます」。
あなたは、そうしたメッセージを書いたり、受け取ったりしませんでしたか。
自分もかつて、こうした表現を書き、また受け取っても何も思いませんでした。
「新年」「明けまして」は、同じ意味。重ねてはいけないと教わる
ところが、取引先の年配の方から、今からかなり前ですが、
この表現について、「間違いである」と教わったのですね。
どういうことなんでしょう。
「新年」は年が明けて改まった年。「明けまして」は、
まさに年が明けて改まり、新年になったということで、
二つは同じ意味である。
重複表現であるので、どちらかを省きなさいと。
では、どう言えばいいのか。
その方が教えてくれたのは、
「新年、おめでとうございます」
「明けましておめでとうございます」
と片方しか言わないこと。
NHKではどう考えているか
という訳で、自分は、「新年、あけまして……」
という表現は避けてきたのですが、それからかなり経って、
NHKでは、この表現を間違ったものとして扱っていない
と知りました。
「新年あけましておめでとうございます」は重複表現?
厳密には、「新年」と「あけまして」が重複しているとも言えますが、
広く一般に使われているので、誤りとはいえないでしょう。《年始のあいさつの慣用として、広く使われていますし、
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20170101_3.html
年が改まったおめでたい気分や様子を強調する表現
とも考えられるため、完全な間違いだとは考えていません。》
なるほどすでに広く慣用的に使われ、おめでたい気分、様子を
繰り返して強調するとも考えられるので、間違いではない
ということですね。
新聞ではどう考えているのか。毎日新聞の「毎日ことば」
新聞ではどう考えているのでしょうか。全社ではなく、
校閲部の記者が書いたコラムですけれど、
毎日新聞の「毎日ことば」では次のように書かれています。
《「(旧年が)明けまして(新年となり)おめでとう」とすべきであるのに、
https://mainichi-kotoba.jp/blog-20171216
「新年(が)明けまして」では「新年」が主語となりおかしい》
《「明ける」自体に「年が改まる」(大辞泉第2版)という意味があるため、
「新年明けまして」では意味が重複しているという解釈もあります。》
《「新年明けましておめでとう」は、すでに広く一般的に使われている
あいさつであるため、もはや誤りとはいえない、という指摘もあるようです。》
《「新年明けまして」は、一概に間違いであるとも言い切れません。》
この問題の論点を整理されていてわかりやすいですね。
それにしても、この「新年、明けまして」問題は、
簡単なようでいて、意外に深い問題なのかもしれません。
個人的な結論 「新年」「明けまして」、片方だけを使うのが無難
多くの方がこれまで様々な思考を巡らせて結論が出ていないのに、
浅学非才な私が、結論を書くのは僭越至極です。
ただ個人的には、「二つを続けて表現するのは誤用である」
との指摘もあるので、そうしたことを避けるために、
どちらか片方だけに届けることにしたいと考えています。
あなたはどうお考えでしょうか。
それにしても言葉というのは、
簡単に誤用とは言い切れないものなんですね。
おまけ “A Happy New Year” か “Happy New Year”か
これも若いころ、間違えていました。
年賀状などに書く場合は、後者が自然で正しい。
ただ前のaがついた表現は、文章の中では使われることがあり、
必ずしも間違いではありません。
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